グルメ・クッキング

2022年9月29日 (木)

「第10回世界料理学会 in HAKODATE」レポート【スピンオフその2】

「第10回世界料理学会」2日目のランチタイム、空いている時間と壇上の空間を惜しまず使う、トークセッションが行なわれました。

もちろん私もランチそっちのけで参加!

まずは、北海道大学水産科学研究院・水産学部 高津哲也先生による講義「気候変動と漁獲量の関係」。

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ここ数年、北海道を代表する魚介がなかなか獲れていません。サンマ、サケ(とイクラ)、ウニ、イカ……「地球温暖化」だからと片付けてしまわれがちでしたが、海と生物、気候変動の解説を聞くとそんな簡単な話ではありませんでした。

とどのつまりは「人」、漁師の人材不足や後継者不足など、生産者側の課題を解決することが先決なのだそうです。大漁の際には態勢を整えるなど「乱獲を防ぐ取組がまず大事」と高津先生。

農業では畑に種をまくように、漁業でも海に種をまき、生産量をあげていくのは地道な努力ですが、自然の恵みをいただく人の使命ともいえるでしょう。

この話を受けて、料理人4人も登壇してのトークセッション「料理人の目からみた漁業資源」に移ります。

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司会は金沢の老舗料亭「日本料理 銭屋」高木慎一朗さん。海の話だったのがいきなり、アメリカで絶滅したオオカミを蘇らせて森の環境を回復しているという話から始めました。北海道でも開拓でオオカミが絶滅、森の生態系が変わり、エゾシカが増えすぎて森を枯らしていることが問題になっていて他人事ではないと思い知らされました。海も陸も、人が入ったことで生物の数が影響を受けているのです。

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料理人にとっては地域の魚種が変わるのは大変なこと。たとえば北海道でもブリがとれすぎて、ブリをふだん食べない北海道では困っているとか、いろんな問題があります。

石川県でも能登でマグロが出てニュースになったとか。

とれてほしいものがとれないという悩みはどの地域にもあるのではないでしょうか、と高木さん。

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「ロレオール田野畑」の伊藤シェフは「とれなきゃ、使わなければいいだけ。あるものを使えばいい」と持論を展開。

近くにあるものを余さず使うという信念、そのアレンジ力こそ料理人の技といえます。

一方で、高木さんとしては「日本料理では決まった食材でつくるものもあり、なかなか難しい」と料理ジャンルや内容によっても状況がちがうお話がありました。

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山形「アルケッチアーノ」奥田シェフも、近くにある食材を使い、とれすぎて困っているものもどんどん引き受けるといいます。

限度を決めずに受け入れ、系列店にもまわし、最近では寿司店もオープンしているので海産物でも引き受けているとのこと。複数店舗を経営している奥田さんだからこそできる方法でもありますが、けっきょくは循環して店の得にもなっている、と奥田さん。

その後、奥田さんの持論は止まらず……いつも通りの奥田ワールドに。

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奥田シェフが変なことばっかり言うので(笑)、その後ではきっとやりにくかったでしょう、三重「ボンヴィヴァン」河瀬毅シェフ。1日目の樋口さんのお話にもありましたが、三重は海女の数日本一、でありながら数も年々減っています。伊勢を代表するアワビが6割減という深刻な事態もあり、獲るだけでなく育てるということの大切さは料理人からも実感しているとのこと。

その後、食品ロスとは、人材不足について、など料理人の目から見た様々な問題について各シェフのトークセッションは続きました。

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締めくくりとして、高津先生から「いい食材は現地でほめてクチコミをしてほしい」と料理人のみなさんへのメッセージ。奥田シェフも「生産者にメガホンを付けるのが料理人」とおっしゃっていたように、各地で獲れなくて困るものもある一方で、獲れていても見向きもされないもの、獲れすぎて困るものもあります。

すべては海で生きるものの大切な命。私たちもふだん食べなれているものだけでなく、高いとか安いとかで一喜一憂せずに様々な食材をおいしくいただく意識が必要だなと感じました。

料理学会といっても、料理人の他に、生産者や、学者の方々、いろんな食にかかわるプロのお話は多岐にわたり参考になります。私一人のちっぽけな体験ではおさまりきれないので、たくさんの人たちにこの学会に来てほしいとあらためて思いました!

みなさん、食にかかわる仕事でないという方もぜひ、一度見に来てみてくださいね。

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2022年9月28日 (水)

「第10回世界料理学会 in HAKODATE」レポート【スピンオフ】

「世界料理学会」のスピンオフ企画は学会終了後、函館市内3カ所で行なわれました。体が三つほしいところですが、その中の一つに参加。

歴史的建造物を活かしたカフェ「Cafe & Deli MARUSEN」で行なわれたトークイベント【お料理とパンの美味しい間柄】。

まずは料理人たちの対談から始まります。司会は深江園子さん。

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音羽 和紀さん(宇都宮/オトワレストラン)、赤間 善久さん(塩竃/シェ・ヌー)、齋藤 毅さん(秋田/ストーブプラス)、いずれも学会の常連です。

料理人たちのお話を聞きながら、シェフの料理やパン、函館周辺のチーズ職人のチーズを試食するというもの。

まず登場したのは、赤間シェフのスペシャリテ、塩だけでつくるスモークサーモン。実は今回のメニューになく、直前に内容を知った赤間シェフが急きょ提供してくださったのでした!ありがとうございます!

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合わせるパンは、「ヒュッテ」木村親方がそれぞれの料理に合わせたパンをあてます。

生ハム(レストランバスク)× パン・オ・コンプレ65

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パテ・ド・カンパーニュ(オトワレストラン)× パン・ド・カンパーニュ

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込み(レストランバスク)× パン・ド・カンパーニュ

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上記は二つともパン・ド・カンパーニュですが、それぞれ料理に合わせて配合を変えているそうです。

木村親方も遅れて登壇。パンを焼き、学会の準備をし、このスピンオフの準備もあるので大忙しです。

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次は道南のチーズ職人がつくったチーズとパン。

写真右から、ペレ(八雲/小栗チーズ)×ミルヒブロート、チェダー(函館/アルパージュ)×パン・オ・コンプレ65、ガロ(七飯/山田農場×プンパニッケル)

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ここで、今や珍しい深谷シェフと木村親方の対談。学会で登壇される機会はなかなかないため、貴重な時間でした!

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パン職人が料理と合わせるためにつくるパンと、料理人が料理のひとつとしてつくるパン。

そのアプローチも考え方もまるでちがい、お二人のセッションがおもしろかったです。

デザートは秋田「ストーブ」齋藤 毅さんによるチーズケーキとシュトレン2種。

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これまで学会の常連として料理人たちと交流してきた齋藤さんですが、

「シェフがアーチストだとしたら、パティシエはアルチザン(職人)」との持論を展開。

シュトレンは今やパン屋さんでもスイーツ店でもおなじみのクリスマス菓子ですが、パティシエが作るとこうなるのか!と感動しました。

これは後で木村親方から聞いた話ですが、パン屋さんは小麦ありきで考えるのでパティシエとは発想がまるで違うとのこと。

料理人とひとくくりでいっても、料理の種類だけではなく、様々なジャンルがあり、その奥深さも感じたひとときでした。

夜まで場所を変えて進んだ函館の料理学会、翌日の2日目の朝へと休まずつづきます。

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2022年9月27日 (火)

「第10回世界料理学会 in HAKODATE」レポート【2日目】

9月13日(火)、「第10回 世界料理学会 in HAKODATE」の2日目です。

まずは、青森県弘前市「レストラン山崎」の山崎隆さんによる歌からスタート。これは、毎回のお約束です。

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学会ではギャグ連発ですが、弘前のレストランへ行ったとき、シェフにご挨拶するととても真面目なお方でした。前の学会で聞いた漬物の話が面白かったことなど思い出されました。

さあ、場も和やかに2日目の始まりです。

1. 函館「レストランバスク」深谷 宏治さん 「生き方から滲み出た、私の料理と経営」

ここであらためてですが、この学会を立ち上げたきっかけとなる深谷シェフの講演です。

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函館出身の若者が上京し、60年代安保闘争の頃、洋食の料理人をめざして放浪の旅へ。やがてバスク・サンセバスチャンに流れ着き、このまちとの「運命の出会い」が人生を大きく変えることに。

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前日に講演されたスペインのフェデリコ・パチャさんの師匠でもあるルイス・イリサールのもとで修業し、帰国する際に「東京に行くな、自分の故郷で店をやれ」と言われたことで、函館でスペイン料理のレストランをオープン。

フェラン・アドリアの料理が「革命」だとすれば、深谷さんの料理は「改革」だとおっしゃっていました。

道南の食材を使ったバスク料理は、まさに函館の「レストランバスク」でしか味わえないもの。そして、今ここで学会が行なわれていることが函館の歴史の中でも独特な流れをつくっていることに感動を覚えました。

 

2. 東京 南雲 主于三さん 「スピリッツ&シェアリング」

以前の学会でも話題となったカクテルの専門家・南雲さんによる講演。これまで学会になかった「化学」を「味覚」として解き明かす、画期的な講義は今回も評判でした。

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「カクテルとは固有の文化を生かしたもの」と語る南雲さん。ファッションではなく、本質としての「日本のカクテル」を確立すべく、日々研究をしています。

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バラを表現したカクテル、肉系のカクテルなど、どれも斬新なものばかり。コロナ禍もまたじっくり研究ができる時間が持ててよかったと前向きな発言。止まることを、思考する時間ができると考え直せること、それがさらなる成長につながっているのです。

 

3. 三重「志摩観光ホテル」樋口 宏江さん「御食国みえの食材を新しい一皿に~伊勢志摩ガストロノミー」

この函館の料理学会をきっかけに、日本各地でも料理学会が行なわれるようになりました。今年は三重県でも開催されるとあり、「伊勢志摩ガストロノミー」について樋口料理長がお話になりました。

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三重県のホテルで連綿と続く伊勢志摩ならではのフランス料理、その歴史と食材、料理の紹介。伊勢神宮のある三重を「御食の国」として、神人共食など地域ならではの独特な考え方を聞かせていただきました。

自ら訪ねる生産者の食材、重要無形文化財である海女によって得られるアワビや伊勢海老など自然の恵みに感謝し、それを皿の上に届けたいという樋口さん。それが三重でしか味わえない一皿をつくりあげています。

よく女性のシェフとしてと聞かれるが、働いてきて「女性として」という気持ちはないという言葉も印象的でした。まだまだ男社会の料理界のようですが、わざわざ「女性シェフ」と言われなくなる時代が来るといいなと思います。

 

4. 大阪「ミチノ・ル・トゥールビヨン」道野 正さん × 東京「ル・マンジュ・トゥー」谷 昇さんによるトークセッション

プログラムではトークセッションのはずが、なぜか道野さんの独演会に。第1回からの常連・谷シェフから、第8回の学会に誘われた道野さん。以後、この学会の常連になりました。このコロナ禍で大変だったところから、自宅で再現できるフレンチのフルコースを生み出した体験談を語られます。

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途中でパティシエールのマダムが登場し、「話が長い!」と今度はマダムが食材探しの旅のお話を。

どあれ?トークセッションじゃないの??と大きなハテナマークが浮かび上がったまま、最後の最後に谷シェフがご登壇。

「サステナブルなんて興味ない」など、あいかわらずの谷さん節が痛快に響きます。もうこれも学会の恒例で、楽しみのひとつでもあります。

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「46億年の人類の歴史で、食うことだけは変わらない。料理人としてここにいる意味を考えれば、自然と謙虚になれる。歴史を顧みない人はダメだ」としめくくり、終了。

けっきょく、トークセッションではありませんでした(笑)

こういう自由さも学会の毎度なところ。そして、学会でしか見られないところなんです。

 

<ランチタイム>

ここで時間が延長となり、ランチタイムとなるのですが、ランチの合い間も実はトークセッションが。おもしろいセッションとなりましたので、1日目のトークイベントともに別途レポートします。

 

5. 新潟・三条「Restaurant UOZEN」井上 和洋さん 「狩り、漁、自然(表記はフランス語)」

予約が取れないと評判の新潟のレストラン。紹介者は料理専門の編集者として活躍されている柴田書店の木村真季さん。もちろん第1回から学会を支えているひとりです。料理界も何も無知な私にとっては、尊敬の一言しかありません。

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オーナーシェフの井上さんは香川県出身、東京で腕を磨きますが、妻の実家である新潟に移住したことで、自然豊かな地で狩りをしながら料理をするワイルドな生活に一変。

時には猟犬とともに獲物を追い、時には海に出て釣りをする。「命をいただく」という根本的なことに立ち返り、本当に美味しいものを追求しつづける料理人です。

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1日目の「アグリスケープ」吉田シェフと共通するところがあるなと思っていたら、後で吉田シェフから「井上シェフがお店に来てくれたんですよ」と聞きました。

食材をきわめていくと、すべてを余すことなく使い、食べていただくことにつながる。そのことを実践しているシェフたちの姿はとても頼もしく感じました。

 

6. 和歌山「オテル・ド・ヨシノ」(→東京「シェ・イノ」)手島 純也さん「日本人が日本で作る純フランス料理」

東京の名店「タテルヨシノ」料理長を経て、和歌山「オテル・ド・ヨシノ」の料理長に。そして、この10月より名店「シェ・イノ」へ移籍することになった手島シェフ。実は20代の時に修業した「シェ・イノ」で再び料理長として厨房に入ることに。

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フランス料理界では47歳は若手と呼ばれる方らしいのですが、手島シェフが大切にしているのはクラシックなフランス料理。新しさや個性を主張する料理より、先人がつくった料理に魂が震えるような感動を覚え、圧倒的な陶酔感を得られたそうです。

創作料理ではなく、昔から伝えられる伝統的なフランス料理を守っていきたい、それは「自分が本当に美味しいと思うから」というゆらがない考え方に、こういうシェフがフランス料理界を継がれていくのはいいなと実感しました。

柴田書店から出している著書「王道の追求」もぜひご一読ください。

 

そして2日目の最後であり、学会の最後を飾るのは、レストランバスクで修業した後で南米に移住したという異色の経歴の持ち主、大野剛浩さんのお話です。

7. アルゼンチン 大野 剛浩さん&マルティン赤嶺さん「南米飲食業界の改革と、日本人として伝えたいこと。」

大野さんの肩書に店名がないのは、大野さんが「コックコートは脱ぎ棄てました」と料理人を辞め、日系人のマルティン赤嶺さんと新たなステージへと向かったから。

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二人は料理人の労働環境に取り組み、オーナーとの意識のちがいを調整、さらには障がい者が厨房で働けるようにするには、など、様々な挑戦をしています。

このことは日本でも同じなのでは?と思いました。実現可能、持続可能になれば世界中のレストランが働く人にとってもよりよくなるはず。

料理人の話だけでなく、経営者側からの話、環境の改善という話が最後に聞けて、またひとつ学会の進化を感じました。

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もうすぐ始まるサッカー、ワールドカップになぞらえ、

「ゴールが決まれば、料理界のチャンピオンになれる」

という力強い言葉でしめくくった大野さん。

かつての弟子の異国での奮闘、深谷シェフも思うところが大きかったでしょう。

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最後はすべての料理人と記念撮影、そしてスペインのフェデリコ・パチャさん、アルゼンチンの大野さん・マルティンさんとともに。

まさに「世界料理学会」にふさわしい国際的なつながりを見せ、これもまた深谷さんはじめとする人と人のつながりによるもの。

この人と人とのつながりと、本当に大切なものに向き合う料理人の熱意、そして継続していく覚悟、これが函館の料理学会が他の追随を許さないところなのかもしれません。

毎回思うことですが、他にはないこの学会が料理にかかわるすべての方に見に来てほしいし、観光で来る人にとっても厨房の中で黙々と働くシェフたちの声がきけてとても面白いので、ぜひ見に来てほしいなと思います。

次は一年半後、2024年4月予定です。

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2022年9月26日 (月)

「第10回 世界料理学会 in HAKODATE」レポート【1日目】

2022年9月12日(月)~13日(火)の二日間、10回目を迎える「世界料理学会 in HAKODATE」が函館で行なわれました。

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料理人の、料理人による、料理人のための学会として、2009年にスタート。全国や海外から名だたるシェフが函館に集まる他にないイベントとあって、「北海道生活」では第1回からずっと取材をつづけてきました。

もとは函館でスペイン料理店「レストランバスク」を営む深谷 宏治さんが仲間に呼びかけ、かつてスペイン・バスク地方で修業していた港町サン・セバスチャンでの学会をヒントにスタートしたもの。

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前回はコロナ禍によりリモート開催となりましたが、今回は久しぶりにリアル開催となり「コロナ禍だからこそ話せることも話してみてほしい」と深谷さん。

司会は、会の立ち上げからずっと支えてきた親方こと「ヒュッテ」のパン職人、木村幹雄さん。

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同じくずっと支えてきた仲間のひとり、フードライターの深江園子さんです。

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まず、1日目のプログラムから。

1 茨城県「雪村庵」藤 良樹さん「地方のレストランが今できること」

古民家を改修した店内で提供するメニュー、サービスともすべてが素晴らしいと評判のレストランです。

フランス料理のシェフが地方に移住し、店をいったん休んでフランスでなくスペインのサンセバスチャンで修業したいきさつを語られました。

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地方でできることを見つめ直し、地元の食材をきわめ、現地で学んだことは料理だけでなく、田舎暮らしを楽しみながらプライベートの時間も大切にするということ。

ライフスタイルそのものを変えたことが、今の素晴らしいレストランに行きついているのだとわかりました。

 

2. 東京「 WAKIYA 一笑美茶樓」脇屋 友詞さん「基本の『き』からはじめる」

登壇する料理人を紹介するのも料理のプロたち。中華の鉄人・脇屋さんを紹介するのは函館の総長こと「函館国際ホテル」総料理長の木村史能さん。かつて中華料理といえば大皿料理しかなかった時代、個人盛スタイルを築き上げた脇屋シェフをご紹介します。

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木村総長も深谷さんたちと学会を立ち上げた創成メンバーのひとり。当日の夜には「函館国際ホテル」での木村シェフ&脇屋シェフコラボディナーも開催され、あっという間に席が埋まったそうです。

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脇屋友詞さんは札幌生まれ、北海道大学のキャンパスを庭として遊んでいた子ども時代から、わずか15歳で赤坂「山王飯店」で修業を始めたこと、伝統料理を守りながらも、やがて創作料理に目覚めていったこと、海外での経験などを語られました。

メインとなった話題が「料理人八訓」といい、料理人が守るべき8の言葉を教えてくださいました。

未来の食文化を守るのは、これからの人材に尽きるというお話。料理人をめざす人たちにぜひ聞いてほしいと思いました。

3. 札幌「アグリスケープ」吉田夏織さん「食材のいのちと向き合うレストランのかたち」

紹介者は吉田さんの育ての親でもある「ル・ミュゼ」石井 誠さん。学会の第1回より、毎回札幌から参加しているシェフです。以前ご自身の料理哲学を登壇して語られたこともあり、今回は愛弟子の登壇を応援する立場に。

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「昔から変わった子で……」と語られるように、函館出身の吉田さんはとにかくタフ。料理人としてだけではなく、農業と酪農。そして狩猟まで精力的にチャレンジしています。店で寝るのは週の半分とか。

また、生産者から「鶏がキャンセルになってしまった」など相談が来ることもあり、会場でも料理人の参加者に呼びかけていました。

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4. 仙台「楽・食・健・美 -KUROMORI-」黒森洋司さん「外国料理を日本で続けていくために、いまできること」

紹介者は以前登壇された「ロレオール田野畑」の伊藤勝康シェフ。私は学会をきっかけに岩手県の田野畑村にある伊藤さんのレストランまで食事をしにいきました。学会では各地で活躍するシェフに出会えるのも魅力なのです。

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こちらが人気の中国料理店を仙台で営む黒森シェフ。名門「福臨門酒家」で料理長をつとめるも、東日本大震災をきっかけに仙台へ。「食を通して地域にどう関わるか」を語ってもらうことに。

黒森シェフは出身地でもない仙台で、しかも海外の料理を提供する意味というのを自ら問います。なんといっても仙台は、ふかひれ、アワビ、ナマコと中国料理の素材の一大産地。「これを地元の人に食べてもらいたい」一心でお店を始めます。

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地方にいると材料に困っているシェフが多いが、あるものを使うということ、生産者とともに継続していくこと、そして支えてくれるお客様の存在。首都圏から有名シェフを呼び、宮城の食材を紹介したこともあるそうです。

一日目の最後はスペインから来ていただいたゲストによる登壇。

5. スペイン・サンセバスチャン フェデリコ・パチャさん「フエゴ(火)~炎の調理の伝統と革新」

この料理学会の前身は「スペイン料理フォーラム」という有志によるスペイン料理の勉強会。この時から参加しているスペイン料理アカデミーの渡辺万里さんが紹介と通訳をしてくださいます。

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フェデリコ・パチャさんはレストランを経営する会社のコンサルタントや食に関するイベントまで多様にかかわる「コンサルティングシェフ」という仕事をしています。

今回は食材に対する敬意と、古来からある火の調理法を学ぶとともに、いま注目すべきスペインのレストランを紹介されました。

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一年前に逝去されたスペインの巨匠ルイス・イリサールと、その弟子でもあり縁をつないでくれた深谷シェフに感謝の意を表し、バスクの食文化を通して若いシェフに警鐘を鳴らしたいと話していました。

伝統と革新、この話は学会でも常に話されてきていることですが、あらためてバスク地方でも考えられ、食の歴史がつむがれていることを実感しました。

1日目は以上となります。このあと場所を3カ所に移し、「函館国際ホテル」脇屋シェフと木村総長の中国料理コラボディナー、「箱館蔦屋書店」親父シェフ座談会、「Cafe&Deli MARUSEN」トークイベント、と夜まで様々な催しが行なわれました。

まずは、2日目へとつづきます。

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2022年8月15日 (月)

アスパラ 最後のフルコース

アスパラといえば春から初夏までですが、今年は「夏アスパラ」がよく出回っております。そのため、まだ北海道のアスパラがいただけるようになりました。

わたしの大好きな長沼町の押谷さんのアスパラでフルコースが味わえるというので、テレビ塔の目の前あるレストラン「ブラッスリーコロン」に行ってきたのは6月のことでした。一昨年前までは毎年恒例だったので、実に2年ぶりです。

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久しぶりとはいえ、生産者の押谷さんも、料理人の塚田さんも日々努力と革新をされていて、そのお披露目ともいえるフルコースはとても感動的なものでした。

軽くあたためたアスパラガス × NORAKEN EN FUT 2016

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お米のソース ドライトマトで作るお味噌、発酵フキノトウ、生ハム それぞれをアクセントにして。

食材を発酵させ、調味料などに活かすのは塚田シェフの得意とするところ。押谷さんのアスパラの「旨み」がさらに引き出されてたまりません。

押谷さんは常にアスパラの「旨み」をつくりだす方法を考えていらっしゃいます。天候など思い通りにいかないことも多いと思うのですが、確かな生産者の手にかかれば安心だなと思わせてくれます。

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合わせるワインは農楽蔵の名品「En fut アンフュ」で、ケルナー種を特別に醸造したもの。アスパラとケルナー、そして北海道は鉄板の相性なのですが、こんな希少なケルナーのワインを出していただけるなんて、贅沢すぎます。

新旧グリーンアスパラガス × KURISAWA BLANC 2019

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朴の香りを付けた石狩産サクラマス、昨年のアスパラガスを使ったバターソース、採れたてアスパラガスとホワイトアスパラガスの酢漬け。

「昨年のアスパラを冷凍保存しておき、それをソースに生かした」という何ともマニアックなもの。押谷さんのアスパラ愛が、塚田シェフにも乗り移ったかのような一皿でした。

合わせるワインは「クリサワブラン」。ケルナーに、これまた私が北海道に来て大好きになった品種ゲヴェルツトラミネール、ピノ・グリ、シルヴァーナーでつむぎだされた白ワイン。ワインもアスパラ料理も長い年月をかけてつくられたんだなあという感動でいっぱいになりました。

磯とアスパラガス

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厚岸産アサリとカラスミ、アスパラガスのリゾット

アスパラからはいいダシが出るので、アスパラのリゾットというのは想像するだけでよだれが出る楽しみな料理のひとつ。

押谷さんはアスパラの旨みに「魚介の旨み」という言葉を使われていました。口にした瞬間、「うん!」という納得の旨みがじゅわ~と広がります。あの時の押谷さんのたくさんの言葉、メモしておけばよかった…。

オムレツでアスパラガス × tap-kop レンベルノ 2014

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下川卵のオムレツ 経産牛のトマトソース 蝦夷花山椒

経産牛とはお産を終えた牛のことで、用済みと扱われることもありますが、意識の高い生産者さんはきちんと扱い、それをわかっている料理人の方もおいしく料理してくれるので、むしろメニューに名前があると「おいしそう!」と思います。

お話を聞いてみたら、せたな町「村上牧場」だとわかり、なるほどと膝を打ちました。

合わせるワインは近藤ヴィンヤードの「タプ・コプ レンベルノ」というレンベルガーとピノノワールをやさしくまとめた赤ワイン。こちらも口にした瞬間、旨みとやさしさ、まろやかさが一体となりました。

エキゾチック ASPARAGUS

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ココナッツブランマンジェ、青肉メロンの果肉とスープ、ライムのエキュームとアスパラガスの苦み

なんとアスパラでデザートもつくってしまった塚田シェフ。ここでコーヒーかお茶か選べるのですが、私はさらにクリサワブランをお代わりしてしまいました。お茶を飲んでしまうと、終わりを感じてしまい、つらいのです。(いや、単なる吞兵衛です)

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最後に塚田シェフと押谷さんからご挨拶がありました。

実はこのレストランは8月で閉店し、塚田シェフも新たな挑戦に取り組むことが決まっています。この秋には北海道のお米の麺のお店が誕生するそうです。

このフルコースも最後となりさびしいのですが、よく思い返せば一度も同じフルコースを出されたことがないので、一期一会のアスパラフルコース。最後にして、唯一のフルコースです。

押谷さんのアスパラは、これからも私の「推し」の押谷さんとして応援し続けます!

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2022年6月28日 (火)

アスパラ 一夜限りのフルコース

「アスパラが好き!」と言いつづけて十数年。

北海道に来て、すっかり北海道のアスパラに魅了された私。札幌のお店ではシェフが「アスパラですよね」と笑いながら出してくれる時期になりました。

しかしアスパラ最盛期の6月、今年に限って、ほとんど出張で札幌にいない私。( ノД`)シクシク…

道南出張で檜山地方の先、江差町まで行ったところ、イタリアン「パレス」の工藤シェフが「アスパラ用意しましたよ」と知らせが!

なんせ仕事で動いているので何時に到着するかどうかもわからないのに、アスパラのフルコースを用意してくださったのです!!(´;ω;`)ウゥゥ

紅ズワイガニマヨ 茹でアスパラ

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ベニズワイガニは「北海道生活」で紹介したことがありますが、日本海側で揚がるズワイガニ。とくに江差は新鮮なベニズワイが揚がるだけでなく、中でも希少な「黄金蟹」が揚がりやすいという地なのです。

まさか訪れた日にベニズワイガニにも出会えるとは!しかもカニマヨにするなんて、贅沢すぎます。

ホワイトとグリーンの根っ子のピクルス

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グリーンアスパラの根っこはていねいに皮をむいて、ホワイトとともにシャキシャキ!

私が北海道に来てアスパラに惚れたきっかけは、ホワイトアスパラのピクルスでした。昔ミックスサラダに載っていた缶詰のぐにゃっとしたホワイトしか知らなかったので、このしゃきしゃきの旨さに衝撃を受けたのでした。今では美味しい瓶詰めもよく見かけるようになりましたね。

白カブのスープと刻み細アスパラ

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まるでヴィシソワーズのようですが白カブなのでさっぱり、しかもコクがあり、初夏にぴったりのスープでした。

鱈の三平汁 皿盛り卸アスパラ

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郷土料理であるタラの三平汁を洋風に、しかもアスパラおろしとは! 初めて見ました! 「アスパラおろしそば」とかあるといいなあ。

アスパラのブルスケッタ ウニクリームのせ

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江差のパン屋さん「ベッキー」のバゲットに、濃厚なウニクリーム、そして極太のアスパラ……合わないわけがありません。

細アスパラのセセリ巻きパン粉 ヤギのチーズ

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主役はセセリ! ヤギチーズがほどよいアクセントで、独特のにおいもありません。

紅ズワイガニとアスパラの塩リゾット

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〆にもベニズワイガニが! しかもアスパラたっぷりです。

アスパラのリゾットは、いろんなレストランで出される時期。しかし、この日のリゾットは格別でございました。アスパラからはダシが出るので、リゾットは最高の〆なのです。「アスパラ鍋」とかあるといいなあ。

北海道に来れば、トウモロコシ、じゃがいも、ウニ、いくら!と思っていましたが、まさかアスパラに夢中になれるとは想像もつきませんでした。

それだけ北海道のアスパラはとってもおいしいし、時期が過ぎ、他の土地のアスパラや海外産が出回るようになると、見向きもしなくなります。おいしいものもあるのかもしれませんが……当分、北海道一筋のままになりそうです。

(編集長)

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2022年6月14日 (火)

札幌ラ・サンテのホワイトアスパラフルコース

ただいま発売中の「北海道生活」夏号、最後まで読み終わった方には、最後の編集後記で私が撮影した写真が載っていることをご存知だと思います。

そう、毎年この時期に熱愛する札幌「ラ・サンテ」のホワイトアスパラのフルコース。

編集後記を書いている頃は毎日コンビニ生活で、「終わったら、行くぞーーーー!」とよだれをがまんしながら昨年撮影した一枚を載せました。編集後記とは何の関係もありません(笑)

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昨年は緊急事態宣言中のため、ノンアルコールでいただいたフルコース。しかーし、とってもとってもおいしいので、ワインで酔うこともなく最後までじっくり味と向き合えるよさを感じたものです。

そうして、今年もやってきました!

札幌 ラ・サンテ「ホワイトアスパラガスとミルクラムを楽しむコース」

毎年まったく同じコースではないのです。今回おどろいたのが、ウエルカムスープ

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ホワイトアスパラの皮からとったダシ。ホワイトアスパラのダシはおいしくて、この時期、リゾットなどに使う方も多いんです。

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いきなり、このダシにやられました。……おいしい……。

「今年も安平町・八木さんの露地物のホワイトアスパラです」と高橋シェフ。私が勝手に八木姐さんと尊敬してやまない、自分の中では一番おいしいホワイトアスパラをつくってくれる生産者さん。今年も最高においしいホワイトができたと、このスープから伝わりました。

お次は、ホワイトアスパラガスの収穫…

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畑に見立てたとかちマッシュのパウダーとムースから、ホワイトアスパラを掘り出して楽しむアミューズ。

わくわく感が始まります。

そして今回は、もう一つのサプライズが!

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ホワイトアスパラに見立てたクッキーが、皮の中からにょきっと生えた一皿も登場。

こういう遊び心も、高橋シェフの大好きなところ。

そしてお魚料理のメイン、トキシラズのスモークとエゾアワビとホワイトアスパラのサラダ

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サラダ、というより、皿だ。どーんと鎮座するホワイトアスパラに、しっとりしたトキシラズのスモークがのっかり、脇にはエゾアワビが肝のソースとともに存在感を放ちます。

まわりを盛り上げる野菜たちの中でも、ラディッシュは「もうすぐ始まる北海道神宮例大祭では、二十日大根を食べる習慣があることから、この時期に添えてみました」と高橋シェフ。

札幌のレストランにいることを、季節感や歴史とともにさらりと気づかせてくれます。

茹で上げのホワイトアスパラとウニとマッシュルームのクリームソース

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こちらもこのコースでははずせない定番。ウニといっても、いかにもウニでございますと載せるのではなく、あくまで茹で上げたホワイトアスパラを引き立てるマッシュルームと合体した旨いソース。

夢中になってワインのことを忘れていましたが、ここで合わせたのは「YAMAZAKI WINERY」ケルナー。今はもう手に入らない希少なワインです。ドイツ品種のケルナーは、アスパラにすっごく合うのです。きっとドイツ人の方もそう気づいているのではないかと思う、北海道らしい爽やかで旨みもしっかりした一杯でした。

さて、このお皿が登場すると、本日のメインイベント!

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この白いお皿は、アスパラを愛する高橋シェフの自作。ここに、ホワイトアスパラのメイン「笹で包んだホワイトアスパラの塩釜焼き」が登場するのです。

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目の前で塩釜と笹に包まれたアスパラが取り出されるところは、シャッターチャンス!

テーブルのあちこちでスマホをかまえる人がいるほどです。

そして、取り分けられたアスパラのお皿も、高橋シェフの自作。

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どれだけ好きなんですかー!もう!私も大好きです!

思い出すたびによだれが出そうになります。八木姐さんのホワイトアスパラ、その実力をシェフが最大限に引き出したスペシャリテ、本当に本当においしすぎます。本当に美味しいので、「おいしい」しか言葉が出ません。

次のお肉に行く前に、今回は厚沢部町「ジェットファーム」のグリーンアスパラのローストが出ました。

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道南にある厚沢部(あっさぶ)でグリーンアスパラだけを育て続ける長谷川さんは、まさに情熱の生産者。アスパラといえば、自分の5本の指にはしっかり入る、すばらしいアスパラの生産者さんです。

さあ、お次は第二部。足寄町(あしょろちょう)石田めん羊牧場のミルクラムの料理へとバトンタッチ。

すね肉・ハラミ肉・アキレス腱のゼリー寄せ

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ラム(仔羊)よりも小さい、赤ちゃんのミルクラム。その繊細でピュアな味わいを、大切な命をあますことなく紹介してくれます。

内臓のアンドゥイエット、50日のミルクラムの薪焼き

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シェフから一つ一つの部位の説明をきくと、ミルクラムがいかに小さいかがわかります。

どれも繊細でやわらかいお肉、その上にのせているのは昨年秋に獲れたというキノコ「ボリボリ」。このときはブルゴーニュのピノ・ノワールといただきました。羊のクセはあまりないのですが、羊肉とぴったり合います。

そして、バスク風 羊乳のプリン「マミヤ」

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オリーブオイルと塩でいただく、〆の一皿。杏仁豆腐のようにみえますが、ミルクラムを育てる羊乳のおいしさまで味わえる一品です。

最後のデザートは、昨年の「北海道生活」で紹介した栗山町のルバーブを使ったスープ仕立ての一皿。昨年はハスカップで今年はイチゴでした。

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と思ったら、アミューズにハスカップのマカロンが出てきました!

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今年もおいしくいただきました。ワインのペアリングも最高でした。

なんとか一年過ごせたなあ、とか、なんとかもう一回来たいなあとか、様々な思いで胸がいっぱいに。

シェフ、お店のみなさま、生産者のみなさま、たくさんの幸せに感謝します。ごちそうさまでした!

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2022年5月 1日 (日)

5月1日新発売!札幌・豊平館のレトルトカレー

札幌駅から大通、ススキノの繁華街を過ぎると、自然豊かな中島公園があります。

クラシックの演奏会で知られるコンサートホール「kitara(キタラ)」や、「渡辺淳一文学館」もあるこの公園に、ひときわ目立つ建物が重要文化財である「豊平館(ほうへいかん)」。

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近くにはサケも遡上する豊平川(とよひらがわ)があり、読み方がちがうのも面白いですね。

ブルーと白のコントラストも美しい西洋建築、もとは今の時計台の近くにありました。

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この二つの建物の共通点は、赤い星!つまり、北海道開拓使の五稜星ですね。赤い星の札幌の歴史的建造物を「北海道生活」でまとめて紹介したこともありますので、ご存じの読者の方も多いでしょう。

さて、この豊平館で5月1日からレトルトカレーが新発売になるというので、発表会に行ってきました!

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明治時代、外国から北海道開拓の基礎づくりにやってきた西洋人や要人など、さまざまな要人を泊めるために政府が建てたホテル。

その後、結婚式場としても長く札幌市民に知られており、その後、耐震工事などを経て現在の姿をとどめています。館内は歴史的建造物としての豊平館について学べるようになっています。

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館内はクラシカルな雰囲気が残されており、部屋のレンタルも可能。明治時代風の衣装を着ての記念撮影など人気だそうです。

さて、ここにお目見えしたのが「豊平館プレミアムカレー」。

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先ほどの時計台は、北海道大学の前身である札幌農学校の演武場なのですが、農学校の寮生が毎週カレーライスを提供されていたそうです。

同じく開拓時代の建物として、かつてレストランもあった豊平館のシンボルメニューとして、このプレミアムカレーが開発されたそうです。

全日本司厨士協会北海道地方本部のシェフたちが監修し、オホーツク・美幌町の有機野菜とオランダポークを使い、スパイスにもこだわった昔懐かしい味を目指したとのこと。

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実際に味わってみると、レトルトとはいいながら、ゴボウやニンジン、ジャガイモが大きくごろごろ入っており、タマネギをしっかり炒めた甘さの奥にスパイスも感じられ、それでいて昭和のお母さんのカレーみたいに毎日食べたくなるような親しみのある味わいでした。

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このカレーは、豊平館の中にあるカフェでも提供されています。

 

 

 

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また、豊平館の甘酒も新発売されたそうですよ。

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花見の季節には美しい桜が咲き誇る中島公園にありますので、甘酒でお花見も楽しいかもしれませんね。

夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と四季を通して愛されている中島公園。ぜひ、豊平館に立ち寄ってみて、札幌から始まった開拓の歴史を垣間見ながら昔なつかしいカレーライスを味わってみてくださいね!

(編集長)

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2021年11月27日 (土)

本日発売!「北海道生活」最新号は、北海道179市町村の美味しいもの集めちゃいました。

本日、2021年11月27日(土)は、「北海道生活」の発売日です!

※曜日の関係で28日→27日となります。北海道は11月30日(火)発売です

表紙はこちら!

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巻頭特集は、「美味しい北海道、179市町村おとりよせ。」

そして今回は初の付録つき!

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「北海道のかわいいいきものカレンダー2022」←もれなく雑誌についてます♪かわいいです♪♪

さて、巻頭特集は、北海道の179市町村の美味しいもの集めちゃいました!

しかも、全部スマホでおとりよせできます!

※小さいお店など、ネットショップのないところはスマホ→電話などがつながります。

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広大な北海道、実に179もの市町村があるんです。その179すべてから、美味しいおとりよせを一気にご紹介。

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表紙に撮影したイクラは、知床・斜里町(しゃりちょう)からの逸品です。今年は鮭が特に貴重だったので、イクラもいっそう高級品になりました。

そんなイクラを自宅にとりよせて、好きなだけぶっかけるなんて夢のような幸せです。

ちなみに、ごはん茶碗は私物です(笑)

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ちなみに、こんな写真も撮ってみました。

たらこ大好きな私にとって、たらこ一腹のせるのは最高な贅沢なのです。こちらも表紙にしたかった!(スタッフの投票により厳正に表紙を決めました)

たらこのまち・古平町(ふるびらちょう)からのおとりよせです♪

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一斗缶に牡蠣がいっぱい! こちらは、厚岸町のブランド牡蠣「マルえもん」を使った「ガンガン焼セット」。缶のことをガンガンということから名づけられたそうです。

軍手と牡蠣ナイフ、説明書きまで付いてるので、初めてでも簡単で楽ちんですよ。

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長沼町(ながぬまちょう)からは、やっぱりジンギスカン。きたキッチン店長がおすすめするラムジンギスカンです。

スタジオの中で撮影すると大変なことになりそうだったので、ビルの屋上にて撮影した一枚。ずっとスタジオ撮影だったので、アウトドア気分になれて楽しかったのと、私が盛り付けようとしたら周りの道産子たちに「違う違う!」と直されて、道産子のジンギスカン愛を思い知ったひとときも思い出しました。

北海道のソウルフードであるジンギスカンは、北海道内5カ所から紹介していますので、各地からとりよせて食べくらべてみるのもいいかもしれません。

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北海道といえば、もちろんラーメンも。4カ所から様々なタイプのラーメンをご紹介。

どさんこプラザ店長さんが「とにかく麺がうまい!」と絶賛した生めんタイプから、マツコ・デラックスさんが「うんまい!」と絶賛して有名になった乾麺タイプまで揃っています。

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農産品やスイーツも揃っているので、食事からデザート、ワインなどお酒まで、あらゆる美味しいものが揃っています。

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手前味噌で申し訳ありませんが、編集長が本気でうまい!と思ったおとりよせもご紹介。 

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北海道で暮らして、北海道で取材してきて、美味しい出会いはたくさんあるのですが、中でも本気で美味しいと思って何度も買うようになったおとりよせを紹介しています。

食のプロである、どさんこプラザ店長、きたキッチン店長、そして編集者のみなさんからも「これはうまい!」というおとりよせを紹介してもらっていまして、撮影しながら試食して「ほんとだ!」とびっくりしたことも何度もありました。さすが美味しいものに囲まれているお仕事をしている人たちはなかなか通です。

「北海道生活」は来年3月から季刊になりますので、それまで長い間たのしんでいただけるように、気合を入れて集めました。

☆179市町村の美味しいおとりよせ全部出し!

☆かわいいいきものカレンダー付録付き!

ふるさと納税特集

☆北海道の旅に、新千歳空港特集

☆冬に楽しむ、雪と温泉の特集

☆じっくり考えたい、冬の移住特集

☆北海道で楽しく働こう、ワーケーション特集

と企画も盛りだくさんです。

これから始まる長い冬、「北海道生活」にあるたくさんの情報を楽しんでいただき、やがて訪れる春を待っててくださいね!

※1月はお休みして、次は3月3日発売となります。詳細は来年またご報告します※

【新型コロナウイルス影響による情報の変更について】
本誌の情報につきましては取材・確認の完了後に、変更されている場合もあります。
お出かけの際には事前にご確認ください。 

(編集長)

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2021年9月27日 (月)

レンガ館のテルツィーナ、最後の夜。

2021年9月26日、サッポロファクトリーのレンガ館にあるレストラン「テルツィーナ」が移転のため最終となります。

「北海道生活」ビール特集でもご紹介しましたが、サッポロファクトリーは1876(明治9)年に日本初のビールを製造した「開拓使麦酒醸造所」の跡にできた商業施設で、1989(平成元)年までビールを生産していた場所。


中でも、つたがびっしりとからまるレンガ館は当時の趣を残す歴史的建造物です。(これから秋になると真っ赤に紅葉するんです!)

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このレンガ館にはビール特集でご紹介した、札幌開拓使麦酒醸造所や札幌開拓使麦酒・賣捌所、レストラン「ビヤケラー札幌」で歴史を感じる様々なビールが味わえます。

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平成の始まりから30年以上が経過して、この建物も2年にわたる大掛かりな耐震工事が行なわれるため、いったんこの建物はクローズするのだそうです。そこで、レンガ館のテルツィーナもクローズし、新たな場所で再出発することになりました。

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1998(平成10)年に藻岩山のほうにあったレストラン「テルツィーナ」は、2004(平成16)年にレンガ館へ移転。その翌年に私は札幌へ移住したので、この場所の「テルツィーナ」しか知りません。

オーナーシェフの堀川秀樹さんは、北海道の食材でイタリアンをつくる「北海道イタリアン」を始められ、今や地産地消が当たり前の札幌のレストランでも先駆者的な存在です。

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札幌のタウン誌「poroco」編集長になった時から何度も取材でお世話になり、読者のみなさんとのファンイベントでも会場を使わせていただきました。(参加者は全員女子、ドレスコードがピンク!と華やかでしたね~)

そして、今の「北海道生活」編集長になってからも、公私ともに取材や食事で訪れた場所でした。私も堀川シェフの「北海道イタリアン」の大ファンだからです。

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店内もレンガが活かされた趣のある空間なのですが、一番好きな場所はこちら!

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丸い窓に五稜星(ごりょうせい)!そう、開拓使のシンボルである星のマーク。サッポロビールで知られていますが、元祖の札幌麦酒醸造所から残っている貴重な窓です。

「北海道生活」でも道庁赤レンガ、時計台、豊平館、清華亭、開拓の村など札幌各地の歴史的建造物に残っている五稜星を訪ねてみたことがあったので、五稜星を見つけると「あった!」とうれしくなるのです。

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そして食事を待つ間に眺められる厨房の右にはピザ窯があるのですが、移転先にはピザ窯が置けないそうで、ここで味わえるピッツアは「テルツィ―ナ」最後になるんです!これは必ず食べなければ、と一枚注文。

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選んだのはトマト「ナツノコマ」のピッツアですが、お世話になっているソムリエの宇野さんが「自家製サルシッチャとズッキーニのピッツアとハーフ&ハーフにできますよ!」と言ってくださったので、お言葉に甘えました。

ナツノコマは堀川さんに教えてもらった調理用のトマト。そのまま食べるものでなく、熱を通したとたん劇的に旨みと甘みが引き出されるので、私にとっても堀川さんといえばナツノコマと反応してしまう食材です。

サックリ焼きあがったピッツア、ナツノコマのほか、旬のズッキーニやトウモロコシもみずみずしく、サルシッチャがしっかり支えてくれる最高の一枚でした。

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堀川シェフには北海道の食材、生産者を教えていただき、美味しいイタリアンをつくっていただき感謝です! 移転先でもますます美味しい料理を、楽しみにしています。

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移転先はこちらとなります。

【新店舗】
2021年11月1日(月) OPEN
Terzina (テルツィーナ)
札幌市中央区南1条西6丁目1-4 第27桂和ビル2F
TEL.011-221-3314
http://www.terzina1998.com

※当面、定休日はないそうです

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そして、サッポロファクトリーのレンガ館ともしばらくお別れ。

日本のビールの歴史はここから始まった、という貴重な建物。耐震工事が終わったら、美味しいビールを飲みにまた訪れたいと思います。

2年後にはどんなお店が入っているか、楽しみですね!

(編集長)

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