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2023年3月

2023年3月30日 (木)

北海道イタリアンの名店「capri capri」ありがとうございました!

「北海道生活」で長らくお世話になった北海道イタリアンの名店「capri capri(カプリカプリ)」が27年の歴史を閉じました。

1996年3月にこのお店をオープンしたシェフ・塚本孝さんは、2023年2月に急逝されました。突然の訃報に、北海道で活躍する料理人や生産者などたくさんの方々が別れを惜しみました。(私もその中の一人です)

故・塚本孝シェフは東京に生まれ、奥様の故郷である北海道の食材の素晴らしさに感動し、札幌へ移住。北海道の食材でつくるイタリア料理の名手としてご活躍されました。

「北海道生活」でも長年、シェフに取材協力していただいたので、これまで「北海道生活」で手がけられた料理の数々を再掲載させていただきます。

 

ホワイトアスパラガスと自家製ボッタネガ

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冬にボラの卵で仕込んだ自家製カラスミを、ゆでたホワイトアスパラにまとわせたもの。「イタリアのパッサーノ地方ではタルタルソースっぽいのをかけるし、フランスではオランデーズソースと、卵とアスパラは相性がいい。だったら魚卵でも美味しいんじゃないかと考えてみました」と塚本シェフ。特に、「赤井川コロポックル村」赤木さんのホワイトアスパラを、「雪解け水をしっかり吸い込んでいて、一番早く出る初物の中でも甘みとホワイト特有のほろ苦さをしっかり持っている」と使っていらっしゃいました。

 

余市ムールとグリーンアスパラの手打ちパスタ

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グリーンアスパラは厚沢部町「ジェットファーム」長谷川さんのものを絶賛。パスタは留萌産小麦の「ルルロッソ」という品種を早くから使用していました。余市で生産されるようになったムール貝など、生産者が取り組む新しい食材には積極的に取り組んでいらっしゃいました。

ビーツの手打ちパスタ

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真狩村「三野農園」三野さんのビーツを練り込んだ真っ赤なパスタ。芽室町「オークリーフ牧場」の仔牛肉との相性もよく、生産者と食材、そして食べる人を美味しい料理でつなげてくれた塚本シェフ。「生産者は取引先じゃない。自分にとっては信用できる"仲間"なんです」。

雪のようにかかっているのは、白糠町「酪恵舎」のイタリアチーズ「グラーナ・パダーノ」。スイスで暮らしていたこともある塚本さんが、チーズだけはヨーロッパだと思っていたところ、北海道のチーズに感動して使うようになったチーズ工房です。

 

雄武産海明けの毛ガニと春野菜のキタッリーニ

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3月の終わり、流氷が去ると水揚げされるのが「海明けの毛ガニ」。旨みをしっかりたくわえた身がたっぷりの毛ガニは、春の訪れとともに味わえる最高の美味しさ。それを春野菜とルルロッソのパスタをまとわせ、何倍にも旨みを広げたのがこの一皿。カニを食べるとき黙ってしまうといいますが、このパスタも口にしたとたん、何も言えなくなってしまいました。

 

札幌大球」と秋シャコのタリオリーニ & 「札幌黄」のタルト

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「札幌大球(さっぽろたいきゅう)」というのは、その名の通り巨大なキャベツ。「札幌黄(さっぽろきぃ)」というタマネギとともに、北海道の開拓期に生産されていた昔の品種です。

イタリアに本部があるスローフード協会では世界中で消えゆくある希少な食材を「味の箱舟」として認定していますが、北海道でも札幌大球や札幌黄が「味の箱舟」に数えられています。

新しい食材だけでなく、開拓期を支えた貴重な食材にも目を向け、スローフードの文化を大切にしていた塚本シェフ。少し古い写真ですみませんが、札幌大球を持っていただいたシェフの写真はお気に入りのひとつです。

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北海道の食材を愛し、「北海道イタリアン」の素晴らしさを教えていただいた塚本シェフに、深く感謝いたします。

そして、これからも北海道イタリアンを美味しくいただき、北海道の恵みに感謝し、笑顔をつなげていきたいと思います。

素晴らしい料理の数々を、ありがとうございました!

(編集長)

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2023年3月13日 (月)

「SL冬の湿原号」に乗ってきました!

ただいま発売中の「北海道生活」春号では、この春からの鉄道の旅を特集していますが、現在まだまだ冬の北海道では「SL冬の湿原号」が大人気です! 

そこで、春が来る前に乗っておきたい!と釧路駅へ。

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「SL冬の湿原号」は2000年からスタート、20年以上愛されている冬の蒸気機関車です。

真冬の北海道に現れたSL(C11-171号)は迫力満点。「北海道生活」でも蒸気機関車はいくつか取材しているのですが、真っ白な雪景色の中でもうもうと煙を上げている姿は、より雰囲気があります。

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いよいよ内部へ。SLならではのレトロなインテリアで、まるで映画のオリエント急行のようにロマンチック。中に入っただけで、すでに旅情をかきたてられてしまいます。

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客車はいくつか種類があり、まず1号車・5号車は「たんちょうカー」といい、色調はレッド。

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ボックス席とカウンター席があり、カウンター席は窓に面しています。

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2号車は「ストーブカー(カフェカー)」といい、色調はモスグリーン。さらにノスタルジックな雰囲気です。

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車内販売カウンターがあり、ドリンクや軽食、おみやげにオリジナルグッズを販売しています。ディスプレイもおしゃれ。

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3号車・4号車は「ストーブカー」で、色調はブルー。

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2・3・4号車「ストーブカー」には昔なつかしいダルマストーブがあり、カフェカーで買った干物をあぶって楽しむことができます。

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車内をよく見てみると、釧路湿原にちなんだタンチョウ(鶴)など道東らしいイラストや装飾が施されています。

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シートにはタンチョウとエゾシカ。

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天井のライトにもタンチョウが羽ばたいています。

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公式HPによると「内装にはエゾシカの角をモチーフにした荷棚や、テーブル、取手、肘掛に、北海道産のタモ材を使用」とあり、北海道の素材にもこだわっています。

カフェカーでは折り鶴が「ご自由にお持ちください」と置いてあり、ささやかなおもてなしがうれしい!

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全席指定席なので安心して席に着き、さあ出発。車掌さんから記念乗車券をいただきました。

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運行は1往復のみ、期間限定の特別列車。釧路駅を11:05に出発しました。

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11:12には東釧路駅に到着。東釧路は釧網(せんもう)本線の始発駅で、根室本線からここで合流します。

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11:38には釧路湿原駅に到着。

 

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ログハウスのかわいらしい駅です。釧路駅から30分ほどで湿原の大自然が広がり感動です。

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カフェカーでは、北海道限定ビール「サッポロクラシック」と鶴居村のクラフトビール「DOTO」を販売していました。呑み鉄を気取って……

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ダルマストーブでスルメもあぶってみました。カフェカーでは、スルメやシシャモなど、焼くための割りばしやアルミホイルももらえるので便利です。

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車内にはアウトドアガイドの方がいて、窓の外に見える風景や野生動物を教えてくれます。

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実際にタンチョウ、エゾシカやオジロワシなどを見ることができました。さすが釧路湿原です。

11:58塘路(とうろ)駅に到着。

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まさにここは釧路湿原のど真ん中、冬以外は何度も来ているのですが、真冬の湿原を走れるのは鉄道ならではです。

さて、お昼ごはんは釧路駅で買った名物鮨「いわしのほっかぶり」で、ようやくゲットできたイワシ&サーモンの盛り合わせ♪

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釧路の地酒「福司(ふくつかさ)」はカフェカーで購入。「冷たいのにしますか?常温にしますか?」と聞いてくださいます。

 

12:12茅沼(かやぬま)駅に到着。

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なんと目の前にはタンチョウ! 3組くらい、ゆうゆうとそこにいました。この駅はタンチョウがいる駅として有名なのだそうです。

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デザートはSLの煙をイメージ、黒ゴマでアレンジした「SLプリン」。「北海道生活」で紹介している「くしろ湿原ノロッコ号」の釧路フレンチ「イオマンテ」特製プリンが、車内限定で買えます。

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いよいよ終着駅、12:35標茶(しべちゃ)駅に到着。

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なんと、標茶のゆるキャラ、ミルクックさんハッピーくろべえがお出迎え! 到着したお客さんたちは大喜びで記念写真を撮影していましたよ。

標茶といえば、ブランド黒毛和牛「星空の黒牛」があり、車内ではビーフジャーキーを販売していました。

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特産品では、標茶の手づくりクレヨン工房「Tuna-Kai(トナカイ)」さんのSLのススでつくったクレヨンを発見! SL冬の湿原号の限定なので、とっても貴重です。ススも付いてました!

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まだまだ各地の特産品やオリジナルグッズがいろいろ揃っていたので、ぜひ乗車して買ってみてほしいです。

標茶で一泊することにし、帰りは外からSL冬の湿原号の雄姿を見ることができました。

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真っ白い湿原を走る蒸気機関車、白と黒のコントラスト、そして汽笛のボォーッという音はなんとも美しく、なにもかも風情があります。

2023年は3月21日までの運行となりますので、詳しくは公式HPをチェックしてくださいね。

公式HP:SL冬の湿原号(JR北海道) https://www.jrhokkaido.co.jp/travel/sl/

※全席指定席となりますので事前に予約が必要です

(編集長)

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2023年3月 2日 (木)

3月3日発売!「北海道生活」春号は、初めての鉄道の旅を特集♪

3月、春の訪れとともに、コロナ禍の制限からも少しずつ解放されていく中で、そろそろ旅に出たい方のために……。

明日、2023年3月3日(金)は、「北海道生活」春号の発売日です!!

※北海道は3月6日(月)発売です

表紙はこちら!

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巻頭特集は、「北海道、鉄道めぐり。」

「北海道生活」で初めての鉄道特集、そして、鉄道専門誌とはちがった、初心者の方向きの鉄道の旅を紹介しています。

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先日JR北海道から発表された春以降の臨時列車とともに、今回紹介している北海道のいくつかの路線へとエリア別にご案内します。

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★道北、宗谷から留萌へ

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日本最北の宗谷本線/さよなら留萌本線と二つの路線では、道北ならではのダイナミックな風景と、北の秘境駅ともいわれる無人駅、そして今年3月末で留萌本線は留萌から沼田までが終了となるため、最後となる駅そばの新しい形も取材してきました。

さよならといって廃線や廃駅になっても、まだまだ魅力があります。今回は、各地域での廃線の楽しみ方をご案内。

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美深では、トロッコ鉄道を取材してきました。4月下旬に営業スタートしますので、白樺の森を爽快に駆け抜けてみてください。

★道東、根室から十勝へ。

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さいはての根室本線 と題して、日本最東端の鉄道の旅。根室本線は根室駅から滝川駅までと横に長~い路線。

さらに「花咲線」の愛称である、根室~釧路間を実際に乗ってみての旅行記も掲載しています。

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この路線でうれしいのは、駅に持ってきてくれる駅弁があること。

実は今の北海道では車内販売がありません(観光列車などを除く)ので、駅弁を持ってきてくれるサービスに注目しています。

テレビでも話題になった根室の「やきとり弁当」も届けてもらえますよ♪ また、根室らしいサンマの駅弁や新発売のお弁当情報も掲載しています。

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十勝の廃線跡では、旧士幌線のアーチ橋や、旧狩勝線の鉄道資産、狩勝トロッコ鉄道など鉄道ファンが大好きなスポットもいろいろ取材してきました。

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「メーテルぅ~~!」(野沢雅子さんの口調で)と叫びたくなる、りくべつ鉄道も取材。トロッコに乗ってみましたが、ここで有名なのは「本物の車両を運転できる」ということ。鉄道ファンだけでなく、現役の運転士さんも面白い!と運転しに来るそうで、実際にリピーターの方の運転する車両に乗せていただいて取材もさせていただきました。

★釧路からオホーツクへ。

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あこがれの釧網本線 と題しました通り、表紙にもなった路線です。

釧路湿原を通る「くしろ湿原ノロッコ号」に実写して取材しました。

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釧路駅のおにぎり屋さんで昔懐かしいお茶を発見!名物駅弁「いわしのほっかぶり寿司」とともにトロッコ号の旅を楽しみました。

ここから北へ、オホーツク海に抜けると、網走まで眺めのいい風景がつづきます。2月にはJR流氷物語号が走り、目の前の流氷を見ながら走れる人気の路線。まだ観光客もまばらな秋に撮影させていただきました。

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この路線の魅力は、小さな駅舎カフェが数軒つづいているところ。今や鉄道ファンにはおなじみの駅舎カフェですが、あらためて昔からつづいているお店に取材しています。

「夏と流氷の時は観光客がすごいけど、ほかは地元の人が多いですよ」と、どこで取材しても穏やかな時間が流れていました。

★小樽・札幌、歴史探訪。

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函館本線 山線の旅/鉄道歴史探訪と分けていますが、まず、函館本線は函館から旭川までタテに長~い路線。そこで、今回は特に「山線」と呼ばれる小樽から長万部までに注目しました。こちらも北海道新幹線が札幌まで延伸されるとなくなってしまうので、今のうちに楽しんでおきたい路線です。

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長万部でも駅弁! 列車に乗り込む前に、できたての「かにめし」を買うのはおすすめなのですが、長万部駅前の本店で食べるのも楽しい!と本店の中も取材してきましたよ。

長万部から小樽への山線を楽しみ、小樽に着いたらオススメしたいのが、小樽市総合博物館

小樽は北海道の鉄道の歴史が始まった場所。そしてここから、札幌の北海道鉄道技術館、さらに三笠鉄道村へと鉄道の歴史をたどります。けっこう深掘りできる、初心者からマニアックな世界まで凝縮していますので、ぜひ本誌をご覧ください。

★函館・道南から未来へ。

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道南いさりび鉄道は、北海道にある唯一の第三セクター鉄道。

旧江差線の五稜郭から木古内までへとつなぐ路線です。函館湾をぐるりとめぐり、遠くに函館山を見ることができます。

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車内は昔懐かしい雰囲気を残し、普通列車でのんびり駅弁を食べたり呑み鉄したりと楽しめます。

さらに、ここでは昨年企画された観光列車「ながまれ海峡号」のようすもご紹介。今年の春からも行なわれるそうですので、詳しくは最新情報をご確認ください。

そして、木古内といえば、北海道新幹線の玄関口。現在は新函館北斗駅までつながっていますが、2030年度末には、札幌まで新幹線がつながります。

北海道新幹線・道南たちよりスポットでは、過去から未来へと鉄道の歴史を見ることができる様々なスポットや、周辺の観光情報もご紹介。

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たとえば、最後のブルートレインと呼ばれる北斗星が、現在では宿泊できるように。向かいにはコテージもあるので、北斗星を見ながら、また、北斗星の中で泊まれます。

ほかにも、「みなみ北海道、北東北へ。」と道南から東北までの観光ガイドも掲載していますので、鉄道で北海道と東北をつなぐ旅も楽しんでみてください。

おまけ↓ 秘境駅の一つ、小幌駅。取材の移動中に見つけました。

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今回ご紹介している路線のほかにも、北海道には鉄道の旅を楽しめるポイントがたくさんありますので、ぜひ、広い北海道を鉄道でまわってみてくださいね。

「北海道生活」春号は、心も体も解放してくれる北海道の各地の魅力がいっぱいつまった一冊です。

【新型コロナウイルス影響による情報の変更について】
本誌の情報につきましては取材・確認の完了後に、変更されている場合もあります。
お出かけの際には事前にご確認ください。 

(編集長)

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