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2023年1月

2023年1月31日 (火)

2月限定!小樽のあったかスープ「しりべしコトリアード」

2月1日から28日まで、小樽市内のレストランにて「しりべしコトリアード」が提供されます。

「しりべしコトリアード」とは、小樽のある後志(しりべし)地方の海鮮など現地食材を使ったミルクベースの“食べる”スープ。コトリアードはフランス・ブルターニュ地方の郷土料理で、フランスから帰国したシェフのアイディアによるものだそうです。

先日、「しりべしコトリアード」の試食会があったので、小樽に行ってきました!

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なんと参加店の中から、5軒のシェフが集結! 5種類のコトリアードが食べくらべできるのです。同一のルールはあるのですが、シェフがちがうとこんなに個性が出るのか!と驚かされました。

【基本ルール】

・具材……後志地方の魚介、すりみ、野菜、果物をそれぞれ使うこと。→小樽は蒲鉾などすり身が特産品。これがあるだけで、ブルターニュにはないコトリアードとなります。後志地方は仁木や余市など果樹地帯もあるので、フルーツもマストというのがユニーク!

・スープ……後志地方の魚介と野菜を使ったスープに、北海道の乳製品と地元のワインかシードルをプラス。→後志地方はワイナリーが多いので、地元のワインを使えるのも強みですね!

・ヴィネグレットソース……オリーブオイル・ビネガー・エシャロットなどを合わせたものを添える。→途中で味変ができるので、それぞれのコトリアードからさらに味わいが広がります!

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小樽では、ホテルやレストラン、カフェなどシェフの横のつながりがあり、みなさんとってもなかよし。

「小樽は寿司だけじゃない!美味しい洋食も食べてほしい!」とシェフたちがそれぞれコトリアードを「小樽 雪あかりの路」のイベントがある2月に提供するようになりました。それがもう10年も経ったとのことです。

一度食べてみた人は美味しい!とハマり、コトリアード目当てのお客さんも増えたとのこと。実際にブルターニュ地方の方も来て「美味しい!」と絶賛されたそうです。

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それぞれのコトリアードには、パンを添えたり、それぞれの提供方法があります。一皿だけでも相当ボリュームのあるコトリアードですが、試食会では少しずつ盛りつけていただきました。

LAMP(ランプ)

Dsc_1529 北海道らしいタラ・カスべ・ホタテ・エビ・アサリなどがごろごろ入り、じゃがいも(キタアカリ)やカボチャなどの甘みがプラス、どっしりと食べごたえがありました。

ホテルノイシュロス小樽

Dsc_1530余市産の甘えびやアンコウなど珍しい魚介も。後志といっても魚種が豊富なんですね。トマトや菜の花といった野菜も入っていて、ホテルらしい洗練されたコトリアード。添えられたのは特産のりんごをチップにしたもので、さわやかな酸味も添えてくれます。

ホテルノルド小樽

Dsc_1531タラなど冬の魚介とホッケのすり身、キタアカリ・ブロッコリーなど野菜の野菜に、余市産の細目昆布をのせたという、海の香りのするコトリアード。添えられたパンは、あえてやわらかいパンにすることで、スープをひたひたに付けて味わえます。

オステリア・イル・ぴあっと・ヌォーボ

Dsc_1533タラとタチ(タラの白子)を合わせ、エビ・ホタテ・ツブなど魚介たっぷりのコトリアード。ニシンのすり身も美味しくて、満足感のある一皿でした。タラとタチの組み合わせは、北海道の家庭では鍋の定番となっていますが、まだ知らないという道外の方にはぜひ試してほしいです。

洋食屋マンジャーレTAKINAMI

Dsc_1532ニシンとカズノコを燻製にして添え、すり身はフランス料理ならではのホタテとタラのムースに。さっぱり爽やかな飲みくちに、スモークの香りとコクのある味わいが後を引きます。ワインにぴったりなコトリアードでした。

以前、「北海道生活」本誌でTAKINAMIさんのコトリアードとワインのペアリングをご紹介したことがあるのですが、コトリアード、パン、ヴィネグレットソースと食べ進めていくのに、ワインとのペアリングはぴったりくるのです。

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今回は小樽「北海道ワイン」のケルナーを出していただきました。旨みと爽やかな酸があるケルナーは、もともと北海道の食材にとても合うのですが、コクのあるコトリアードをキリッとしめてくれる抜群の相性!

2月の小樽に訪れたら、地元のコトリアードと地元のワインを飲んでみてくださいね。

実際に店内で食べてみてアンケートに答えた方には、抽選で素晴らしいプレゼントが“高確率”で当たるそうですよ!お楽しみに♪

すべての参加店に関する情報はこちら↓

http://shiribeshi-cotriade.com/

【しりべしコトリアード】

2023年2月1日~28日 小樽市内の参加店にて提供中

(編集長)

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2023年1月27日 (金)

オクラホマ河野+『なかがわスタイル』の小屋が完成

道北の上川地方北部にある中川町(なかがわちょう)といえば、森林のまち。
それを象徴する『なかがわスタイル』の小屋が、昨年末に完成しました。

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このたび完成したこの小屋は、北海道のお笑いコンビ「オクラホマ」河野真也さんが中川町のみなさんとつくったもの。「オクラホマ」といえば、河野さんが相方の藤尾さんと北海道大学在学中に出会って結成した関西出身のコンビ。漫才、落語からテレビ、舞台までマルチに活躍している北海道でおなじみのタレントです。

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河野さんは大泉洋さんらチームナックスの事務所クリエイティブオフィスキューに所属しているのですが、同じ事務所にいるシンガーソングライターChima(チマ)さんが中川町のイメージソング「きみの記憶」を手がけ、中川町産材でのギターづくりが実現したことから、河野さんにご縁がつながったそうです。

写真右が、小屋の完成記念に駆け付けたchimaさん。彼女も関西出身で、北海道が大好き!透明感のある歌声が素敵です。

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もともと木工が好きで、林業に興味を持ち活動していた河野さん。このご縁で「地元の木材の付加価値を高めたい」という中川町との思いが合致して、この小屋づくりがスタートしました。

ご自身は北広島の木工作家 「cava craft」 平子貴俊さんのワークショップで、手彫りで木のお皿を作ったり、札幌の豊平区にある「河野銘木店」で一枚板を買い、自分でテーブルを削って磨いて仕上げたことがあるそうですが、小屋というのは初の試み。

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そこで、河野さんがこれまで出会ったプロの職人に協力をお願いしに足を運びました。

(以下、プロジェクトスタート時のお写真を借りています)

長沼町の大工「yomogiya」中村直弘さんは、「もともと中村さんが手がけられた小屋や飲食店のファンで、小屋を作るなら必ずご一緒したいと思っていました」と河野さん。

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土壁は浦河町「野田左官店」野田肇介さんで、「野田さんが手掛けた土壁があるお宅を見る機会があり、部屋ごとに北海道のさまざまな町の土を使った、それぞれまったく色の違う土壁を見て『そんなことできるんだ!』と驚いたんです」。今回は中川町の土を使いたかったという河野さん、日高の浦河町までお願いしに行ったそうです。

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河野さんの熱意に対し中村さんと野田さんが協力してくれることになり、そのほか中川町役場の方と相談してプロジェクトメンバーを集めました。

設計は札幌「三木佐藤アーキ」佐藤 圭さん。中川町の役場の方から素敵な設計をされると聞いていた河野さんは、「偶然にも、中村さんとも野田さんとも仕事をしたことがあったので、その関係性もとてもありがたかったです」。

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木材加工と調達は、木材流通コーディネーターの「Rawwood」福田隼人さん。山口県に生まれ。イギリスに留学後、ドイツに移住。その
後、岐阜県高山市で木工を学び、原料の場となる森林に強い関心を持ち、中川町へ移住して現在の仕事に取り組んでいる木材のエキスパートです。

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現場管理は「天塩川工業」今野大樹さん。中川町に生まれ育ち、中川町役場、森林組合を経て、父親が営む天塩川工業に入社。中川町の地元スタッフをまとめる頼もしい存在です。

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こうして、小屋づくりのプロジェクトメンバーがそろい、9月に小屋づくりがスタートしました。もちろん、ほかにも多くのプロやスタッフたち、地元の方たちが協力、中川町の技術力が集結し『なかがわスタイル』の小屋を手がけたのです。

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当初は11月の完成を予定していましたが、完成したのは真っ白な雪に覆われた12月。

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完成しての感想を河野さんにおうかがいすると、こんなコメントをいただきました。

<河野さんのコメント>

正直、ホッとしています。途中、「あ、やばいかも」という時は何度かありました。

プロの方に指導はしてもらえるものの、ずっといてもらえるわけではない。プロの方以外、僕を含めて元々、建築に携わっている人はいないので、それはそうですよね。予定通り、作業が進まない。

用意していた木材が状態が良くなくて、使えるものではなかったとか、中川町では大きな地震があって、その復旧作業などもあり、みんな動けないとか。

正直、遅れはしましたが、完成できたのは町の方の頑張りでしかありません。

とても丁寧で、技術を身に付けるスピードが速くて、なにより一緒にいて楽しい。

中川町の皆さんが大好きになる一年でした。

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――これからの活用予定は?

町民の方、町外の方、それぞれのキッカケの場所になったらいいなと思っています。

町の方には、地元の木、土を使ってこんなに素敵で心地良い空間ができるんだと体感してもらって、新しく建てる時、リノベーションする時に、この「なかがわスタイル」のおうちが増えたらいいなと思っています。

「週末喫茶」とか「週末ベーカリー」とか、各地の美味しいコーヒー屋さんやパン屋さんを招いて小屋を使ってもらって、町民の方にはその美味しさを味わってもらう。

そのお店を目掛けて町外からも人が集まる。

他にも町外から人が集まるマルシェだったりツアーだったりをして、中川町の魅力を感じて、小屋に入って「なかがわスタイル」の虜(笑)になってもらって、移住してもらえたら最高です。

大きさは小さいですが、中の空間はモデルハウスを作るつもりで建てているので。

それぞれの、住まいへの考え方だったり、地元の素材への考え方だったり、生き方だったり、誰かの何かのキッカケになったら嬉しいです。

(以上、河野真也さんのコメント)

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春が来て、雪が解け、木々が緑で覆われる頃、この小屋が河野さんの語るような素敵な場所になれるといいですね。

そのときはぜひ、中川町へ取材に行きたい!と思います。

(編集長)

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2023年1月20日 (金)

賞味期限1日!新鮮食材の生カステラ「北海道加須底羅」が誕生!

2023年1月19日、札幌で北海道産食材を使ったカステラ専門店がオープンしました!

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旭川で大正13年に創業した老舗和菓子店「もち処一久大福堂」は道内に12店舗あり、
南郷8丁目店の一角にカステラ専門店「KENJI KAWAGUCHI 北海道加須底羅 一久大福堂」が誕生。

国家資格「和菓子製造技能士1級」を取得した若手菓子職人・川口謙二さんが、北海道の材料にこだわり、和菓子の新しい挑戦としてカステラを開発しました。

「北海道加須底羅(カステラ)は、プレーン、小豆、クリーム、いちご、と全4種類をラインナップ。

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北海道といえば、小麦、バターなどの乳製品、卵とすべての材料が地元産で揃うスイーツ王国。
このカステラも、酪農日本一の別海町産バターを使用し、「しっとりプルっとした食感とやさしい甘さが出るようていねいに焼き上げました」とのこと。冷やして食べると口の中でとろけるような食感になるそうです。

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実際に購入してみたところ、かなり大きくてびっくり! いわゆるカステラの3切分くらいあります。

さっそく「プレーン」を味わってみると、北海道の雪景色をイメージしたという粉砂糖がさらさらとかけられていて、いわゆるカステラのザラメとちがい、大きい割にさくっといただけます。

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おどろいたのは、そのやわらかさと食感。冷蔵庫から出して食べてみたのですが、まるでスフレのようにやわらかくシュワッとして、口の中でとろっとした「生カステラ」ともいうべき味わいに感動しました。

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そして、もう一つ、「あんバター」もいただいてみました。美瑛町の希少なブランド小豆「しゅまり小豆」と、北海道産のパター。これはもう、背徳のおいしさ! 

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このカステラは賞味期限1日なので、日持ちがしないため、地方発送はできないそうです。
店頭で買い求めるか、札幌市内であれば配達とのこと。

札幌でぜひ、「北海道加須底羅」の味わいを確かめてみてくださいね。

公式HPはこちら↓
https://daifukudo.myshopify.com/

KENJI KAWAGCHI 北海道加須底羅 一久大福堂
住所: 札幌市白石区南郷通8丁目北2-21(もち処一久大福堂南郷8丁目店内)
交通: 地下鉄東西線「南郷7丁目駅」より徒歩3分
営業: 9:30~19:00
電話: 011-864-1919

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2023年1月16日 (月)

札幌市民だけど「OMO3札幌すすきの」に泊まってみた。

現在発売中の「北海道生活」冬号で読者プレゼントをご提供いただいている、

「OMO3札幌すすきの by 星野リゾート」に泊まってきました!

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私は北海道に移住して以来ずっと札幌市民なので、札幌のホテルに泊まる機会はほとんどありません。ましてや「すすきの」といえば、飲兵衛たる自分の庭みたいなもので、記憶をなくしても帰巣本能でタクシーに乗ってしまえば自宅に帰れる。

しかし、今回は星野リゾートの「OMO」シリーズ。北海道には札幌にOMO3、小樽にOMO5、旭川にOMO7があり、これまで旭川と小樽に泊まってみた経験から、「OMO」といえば、おもてなし、おもしろい、おもいがけない体験が目白押しだー!とわかり、地元だからこそ泊まってみたくなったのです。

ここ「OMO3札幌すすきの by 星野リゾート」のコンセプトは「幸せな夜更かし」。札幌で「すすきの」といえば夜の街として知られていますが、こわいわけではなく、美味しいグルメや楽しい店がいっぱい集まっています。その魅力を実感できるホテルというわけです。

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建物に入ると特製の「ご近所MAP」がお出迎え。こちらは実際にホテルのスタッフが足で稼いだお店情報がたくさん紹介されています。今どきネットやアプリではなく、紙のカードにしているところも個人的にはうれしい。そのほか、ラーメン、〆パフェ、スナックなど、趣味趣向に応じたお店MAPも用意されているんですよ。

いわゆるロビーを、ここでは「OMOベース」と名付け、今の季節ですと札幌のスキー場紹介とライブカメラを用意。

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札幌ってこんなにスキー場が近くにあるのね!と、その日に応じてスキーやスノボに行く計画が立てられて便利です。

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ユニークなのは、「ゴンドラこたつ」が4月2日まで設置されているコーナー。「札幌国際スキー場」が開業時に使用していた昔のゴンドラをお借りして、その中に何と、こたつを入れているのです。

宿泊客はこたつに入って、お酒を飲んだりできます。実は北海道民の家には、ほとんどこたつがありません。こたつを知らない道民こそ、興味しんしんかもしれませんね!

さらに周りを見渡してみると、ランプシェードが札幌のグルメにちなんだもの。

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ジンギスカン鍋、鮨おけ、ラーメン鉢、スープカレーの皿、となかなか凝っています。これは旭川のOMO7のシェードが実際の旭川ラーメンのお店の丼にちなんでいたように、札幌のグルメに対するオマージュが感じられます。

グルメな札幌、中でも特にすすきのには飲食店が集まっているので、このホテルにはレストランがありません。

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その代わりに、24時間営業の「OMO Food & Drink Station」があるのです。ここはホテルSHOPでもあり、コンビニでもあり、カフェでもあり、無人でキャッシュレスで利用できるのです。

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北海道のおみやげもあったり、お酒やドリンク、おつまみやお菓子、軽食と、いろんなものがあります。

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チェックイン時にもらった1000円分のカードで、バーコードを読み取って好きなものを購入。おつりは出ませんが、足りない分はスマホ決済ができます。調子悪いから出かけられないな~という人も、これなら便利。

ここで「OMO」シリーズの名物ともいえる、OMOレンジャーの方が登場。地元を知り尽くした、地元を案内してくれる達人たちです。

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当日はクリスマスシーズンだったのでサンタさんの恰好をしてチョコレートを配ってくれました。

このホテルでは、毎日16:00と17:00に「すすきのアペロミーティング」を開催。チェックインをして、夜にお出かけする前に、ミニ知識を授けていただける講座が聞けるのです。無料です。

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この日は「〆パフェ講座」があったのですが、

北海道は「冬のアイス消費量日本一」なのはなぜか→「冬の平均室温が日本一」つまり部屋の中があたたかすぎる!

札幌市は「酒類の購入金額が日本一」!→つまり飲兵衛が多い(全国の平均収入とくらべると、この支出はかなりの割合なはず)

などなど、実にお勉強になりました。

冬にアイスを食べるのが大好きな北海道民、夜に〆ラーメンを食べる札幌の飲兵衛たち、そこで「〆パフェ」が札幌から盛り上がっていったのは、納得のいくお話でした。

(私は年齢的に〆ラーメンはちょっと……食べたいけど……と思っていたら、チェックイン時に「札幌らーめん横丁」のハーフサイズのチケットがもらえたんです!これはうれしい。このチケットについては後日ご報告します♪)

さあ、ためになる講座をきいたら、次は夜の街へ実習に出かけましょう♪

OMOレンジャーが案内してくれる「すすきの はしご酒ツアー」は、一日一組(4名まで)限定。

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まずは名店「杉ノ目」に連れて行っていただきびっくり! 高級料亭で、日本料理のフルコースしかないはず。しかしこのツアー参加者のみ「はしご酒」でのれんをくぐれるのです。

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入店すると、女将さんが館内をご案内してくださいます。老舗料亭の内部はすべてが文化財的なものばかりで、各部屋に歴史を物語るエピソードがあります。

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「北海道生活」でも以前ご紹介したチセの部屋は、本格的にアイヌの方々が設計したもの。

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部屋の隅々に置いてあるものまで、貴重なアイヌ文化が息づいています。

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あらためて各部屋の歴史や調度品に感動したところで、カウンター席へ。

芦沢料理長の目の前に座らせていただき、女将さんのご説明でお酒と料理をいただきます。

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錫のちろりで杉ノ目オリジナルの「神威岬」をいただき、先付から2品。この日は「たらば蟹と雪ノ下きのこ、鬼おろし、イクラ」と、「ニシンの蒸し煮 小松菜、白蕪、木の芽」でした。

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冬の食材に、ていねいにとったダシ、杉ノ目といえばご贈答用に有名なイクラ……。何度も繰り返しますが、ここはアラカルトも、ちょい飲みもできない料亭。ここを「はしご酒」のスタートとして交渉した星野リゾートさんもすごいし、応えていただいた「杉ノ目」さんもすごい。

そしてお次は、炉端焼きの「ウタリ」へ。

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私はよく道外から遊びに来た友人を、ここに連れてきました。お気に入りの店の一つです。年季の入った炉端が素晴らしい!

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ツアー料金とは別に、店内では好きなものを注文して支払うようになっています。このツアーのおすすめセット(5,000円)があるというので、頼んでみました。

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ホッケ、いか、帆立……焼きおにぎりまで相当なボリュームでした。もちろんここではアラカルトで注文できますので、おなかの量を考えて注文しましょう(笑)

たくさん飲んで、食べて、最後にまたOMOレンジャーに「杉ノ目」に連れてきてもらいました。

なんとここで、参加者限定の「〆パフェ」が食べられるのです! しかも料亭だけあって「和パフェ」に熊の最中が付いてます。

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お椀を開けると、きらびやかな色に感動! オリジナルの日本酒「神威岬」のゼリーや金箔があしらわれ、日本料理の職人が手がけただけあって小麦や乳脂肪分を使わない、ヘルシーな内容にさらに感激。

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キンカンなどフルーツのほか、シャドークイーン、ノーザンルビーといったジャガイモ、百合根、かぼちゃプリンと、北海道の野菜も使われていて、熊の最中にも北海道産の小豆と白花豆が。北海道の郷土料理を大切にする「杉ノ目」ならではでした。

ちらっと「杉ノ目」の中に入れて、ちょっとつまめて、ふつうは味わえない特製の和パフェまで……これは札幌市民こそ、一度は行っておいた方がいいツアーだなと思いつつ、個人的には「また行きたい……(メニューが季節ごとに変わるので)」とリピーター決定になりました。

この「すすきの はしご酒ツアー」は一組限定で有料のプランですが、ほかにも21時スタートの「すすきの はしご酒ツアー」があり、OMOレンジャーがすすきのの店を毎日20軒ずつ無料で案内してくれるそうです。自分の好みの店に出会えたら、途中離脱OKというユニークなもの。

しかし私は、ここで早々と離脱。しばらくコロナですすきのに来ていなかったので、なじみのお店に数軒はしご酒をしてしまい、ホテルに泊まれるのをいいことに午前2時過ぎまで飲んでしまったのでした……。

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一泊して翌朝、なんとステーションには朝ごはんにうれしい、夜中だけオープンするパン屋さん「しげぱん」のクロックムッシュ(かまやつ)や「ふわもち邸」のベーグル、おにぎりなどが並べ替えられておりました。

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「幸せな夜更かし」を約束してくれるホテルだけあって、好きな時間に起きて、好きな時に朝ごはんが食べられるんです。これは、幸せだ~♪

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私は「しげぱん」と「OMO」オリジナルのサンドイッチに、コーヒー、牛乳を購入して部屋食にしました。化粧もせず、テレビを見ながらのんびりとブランチ。

「OMO3札幌すすきの by 星野リゾート」での宿泊、これは札幌に住んでいても楽しい!

しばらくヤミツキになりそうです♪

OMO3札幌すすきの(おも) by 星野リゾート

住所: 札幌市中央区南5条西6丁目14-1

TEL: 050-3134-8095(OMO予約センター)

公式HP: https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo3sapporosusukino/

(編集長)

 

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2023年1月10日 (火)

北海道・余市に「ニッカミュージアム」OPEN!

2023年1月9日、北海道・余市町にある「ニッカウヰスキー余市蒸溜所」に新しい見学施設が誕生したというので、さっそく行ってきました!

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真冬の蒸溜所は雪景色の中にありました。2021年に国の重要文化財の登録を受けた建物が多くあり、冬の風景もとても素敵です。

見学施設は事前予約で入ることができ、完全予約制のガイドツアーのみとなります。(自由見学はありませんので、ご注意ください)

ガイドツアーのスタートは、「ビジターセンター」から。

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ここで、ニッカウヰスキーの取組、創業者・竹鶴政孝さんのものづくりへの思い、働く人々に息づく精神などを映像で見ることができ、いよいよニッカウヰスキーを身近に感じられる場所へと案内されます。

竹鶴資料館、ウイスキー博物館と歴史を重ねてきた見学施設は、2021年10月「ニッカミュージアム」としてオープン。

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その後、第2期工事が行なわれ、この1月に全面刷新しての本格オープンとなりました。

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まず入口に入ると、最初のコーナー「ブレンダーズ・ラボ」が現れます。

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ここでは「ブレンダー」に焦点を当て、ブレンダーのデスクをイメージしたディスプレイが中央にあります。

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両側ではウイスキーを思わせる琥珀色のカーテンがゆらぎ、ウイスキーづくりの時間の流れを見ながら自らも歩みを進めます。

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次は「ストーリー・オブ・ニッカウヰスキー」

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ニッカウヰスキーを代表する4ブランド、「余市」「竹鶴」「ブラックニッカ」「フロム・ザ・バレル」に関する展示が見られます。

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そしてポットスチルが存在感を放つエリアに入ると、ウイスキーづくりに取り組む人々の生の声を映像で聞くことができる「ディスティラーズ・トーク」、奥には有料試飲コーナー「テイスティング・バー」があります。

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この有料試飲は、帰りにおみやげのウイスキーを買ったり、お店で飲んだりする際に、自分の好みが確かめられるのでおすすめですよ。

そして、この先が、第2期工事として新しくなった部分。まずはニッカウヰスキーの歴史をボトルで紹介する「ヒストリーロード」を通ります。

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ドラマ「マッサン」のモデルにもなった竹鶴政孝さんの一生、そしてウイスキーづくりへの思いが4部構成で描かれていきます。

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最初のゾーンでは、広島の酒蔵で生まれた竹鶴政孝さんが、大阪でウイスキーに出会い、スコットランドへ単身渡っての修業時代が、わかりやすい展示と貴重な当時の資料で描かれていきます。

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そして北海道・余市へ。ガイドさんの説明を聞きながら、竹鶴さんが北海道に渡り苦労してウイスキーづくりの夢に向かう姿を見ることができます。テーブルの中央にある設計図は、最初の蒸溜所から拡大していく様子がアニメーションのように移り変わるので必見。

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それぞれの展示には竹鶴政孝さんの言葉が印象的に掲げられているのですが、スコットランド人の妻・リタさんとの思い出は胸に迫るものがあります。

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初めて竹鶴さんがつくったウイスキー第一号。 減っているのは長い年月の間で蒸発しているからだそうです。

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最後のゾーンでは、竹鶴さんの夢をかなえた北海道への感謝の気持ちがつづられています。スポーツマンだった竹鶴さんはスキージャンプ場やスポーツ施設を余市につくっており、ウイスキーだけでない功績が紹介されています。

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竹鶴さんの一生を見て、エンディングは「未来へ」。現在、余市や仙台にあるニッカウヰスキーの蒸溜所や人々の写真が飾られ、竹鶴さんの想いを未来へとつなぎます。

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ガイドツアー(完全予約制)は見学無料、そのほか有料のイベントもあるそうなので、詳しくは公式HPをご確認ください。

もちろん、ショップやレストラン「樽」は予約がなくてもいつでも入れます。

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余市蒸溜所限定ウイスキーなども買えますので、いつでも立ち寄ってみてください。

ニッカウヰスキー北海道工場余市蒸溜所
【無料ガイドツアー】※完全予約制

予約: https://www.nikka.com/distilleries/yoichi/

住所: 北海道余市郡余市町黒川町7-6

電話: 0135-23-3131/FAX 0135-23-3137(予約専用)

時間: 9:00~12:00/13:00~15:00
*毎時00分、30分に開催(12:30はのぞく、また天候などにより中止の場合あり)
*所要時間 約70分(見学約40分+買い物など約30分)

休業: 12月25日〜1月8日(臨時休業日あり)

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2023年1月 4日 (水)

十勝に誕生、「エレゾ・エスプリ」の美食を味わう。

2023年がスタート、今年もどうぞ「北海道生活」をよろしくお願いします。

ただいま発売中の冬号では、2022年10月に十勝の豊頃町(とよころちょう)で誕生したオーベルジュ「ELEZO ESPRIT(エレゾ・エスプリ)」をご紹介しています。

<「北海道生活」をご覧になっていない方のために……> 十勝出身の料理人・佐々木章太さんが信頼する仲間たちと食肉のプロ集団「ELEZO(エレゾ)」を立ち上げ、彼らの手がけるジビエ(狩猟肉)は道内外のレストランで高く評価されるように。その後、札幌、そして東京で自社レストランをオープン、渋谷区松濤のレストランは予約が取れないほど話題となりましたが、そこをあっさり引き上げ、ラボ(食肉処理加工場)のある豊頃町でオーベルジュ(宿泊付きレストラン)を開くという悲願をかなえたのでした。

オーナーシェフである佐々木さんの夢がかない誕生した、この美食のオーベルジュについては誌面でたっぷりご紹介しているのですが、取材の後で、実際に泊まりに行ってみました。

ELEZO ESPRIT(エレゾ・エスプリ)

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季節は晩秋、左の白亜の建物がレストラン、右の3棟が宿泊棟となっています。

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部屋番号は、33、55、77 となっているのは、実はオーナーシェフの佐々木さんが学生時代にアイスホッケーの選手だったことにちなんでいるそうです。

部屋の内部は、上質感を大切にしながらもシンプルに。(誌面では使われなかったオフショット写真も一部使っています)

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大人2名用のゆったりした空間で、ベッドの裏側にはデスクがあったり、必要なものが置いてあったりと、細かいところまで行き届いています。(個人的には歯ブラシとスリッパが気に入りました)バスルームもトイレも生活感を排除し、できるだけシンプルな美を感じさせます。

この部屋には時計もテレビもありません。聴こえるのは波の音だけ。ここでゆっくりしてから、レストランへ向かうのです。

食事がスタートするまでは「ELEZO」の世界にふれ、期待を高めるアプローチがあるのですが、それもすでに誌面でご紹介しておりますので、ここからは実際に味わってみたディナーについて。(佐々木さんのお言葉はメニューブックからも一部引用しています)

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ディナーはすべて、自社ワインによるペアリング(ノンアルコールも選べます)で提供されます。ブドウから「ELEZO」の料理のために設計されたという、究極のペアリングで料理を味わうことができるのです。

18:30に、ディナーがスタート。(便宜上1皿目、2皿目と記述していますが皿数ではありません。)

1皿目 命のスープ × スパークリング

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ディナーのメニューは季節や食材の時期などにより入れ替えるそうですが、この「命のスープ」で始まるのは共通。

「ELEZO」の肉が評判なのはもちろんのこと、食肉加工しているこの場所だからこそ、筋・骨までも使い、あとは香味野菜と水だけで仕上げたスープを提供しています。

肉を扱う以上、「命をいただく」というのは当たり前で、「一滴の血や一片の肉まで最高ラインに引き上げることが料理人である前に、人間のあるべき姿勢だと考えています」と佐々木さん。

まさに、「いただきます。」という言葉にふさわしい、ディナーの幕開きです。

2皿目 シャルキュトリ盛り合わせ × シャルドネ

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「ELEZO」といえば、私たちがオンラインショップでも買うことのできるのがシャルキュトリ(食肉加工品)。

そのラインナップが少しずつワインと味わうことができるという幸せなセットです。生ハム、サラミ、パテアンクルート、ブーダン、ンドゥイヤ、それぞれの味わいに季節の山菜ピクルスが爽やかに添えられます。シャルドネとの相性も抜群。

特にブーダンは、チョコレートと思うほどの口あたりに驚かされ、「血の一滴までも使う」という姿勢が現れた逸品。

私たちが美味しい、美味しい、と喜んでいる裏側で、食肉加工の際に「使いづらい」とか「価値が低い」とされる部分を活かす丁寧な処理と磨き上げる技術、隅々まで行き渡った食材への想いがあるのです。

3皿目 地場の魚介料理 × ヴィオニエ

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これまで札幌や東京の「ELEZO」のお店でも、出てくることがなかった魚介料理。

それは、この大津という地が海の前にあるからこそできる料理です。

佐々木さんたちが食肉処理加工の場所を豊頃町に選び、移り住んだ当初、漁師町である地元では「何をやってるんだろう?」と不思議がる声が多かったようです。その後、スタッフたちとともに、子どもを育て、地元に根を生やしていったことで、今では豊頃町のふるさと納税でも「ELEZO」の食品が登場するように。

猟師さんとともに始めた「ELEZO」が、この地で漁師さんともつながったことで、海の幸(つまり海が育てた命)を味わえるようになりました。知床で学んだことの受け売りですが、海と山は命の連鎖によってつながっているのですね。

この日は地元の特産である鮭と、地元産のニンジンにコンソメジュレを合わせた一皿に、ヴィオニエの華やかでしっかりした白ワインがぴたっとはまります。

4皿目 サルシッチャ × ピノ・ノワール

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「豚の肩や首、特段旨みの深い部位」を使用しているというサルシッチャ。そこに地元の野菜、そして十勝が誇る豆が合わさります。スープ仕立てになっているので、まとめてすくって口に入れると、噛むごとにぎゅっぎゅっと肉の旨みが口の中で広がります。ここにピノ・ノワールの穏やかな赤ワインを流し込むと、ふんわりと香りが鼻から抜け、なんとも心地いい余韻がつづきます。

「ELEZO」はジビエのイメージが強いのですが、この豊頃町では放牧豚や鶏、つまり家禽がストレスのない環境で育てられており、ジビエも家禽もまとめて「美味しい肉」を追求しているのです。

5皿目 エゾシカ × シラー&ヴィオニエ

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シャルキュトリと並び、「ELEZO」といえば道内外にあるレストランのシェフたちも絶賛するジビエの代表格、エゾシカがいよいよ登場。

「北海道生活」誌面ではカメラマンによる美しい写真でご紹介していますが、付け合わせもそのときとは違い、秋ならではの地元のきのこが付け合わせになっています。

エゾシカといっても、一言では語り尽くせません。年齢、オスかメス、メスなら出産の有無、彼らが生息する場所、食べているもの、そのいろんな要素で肉質は異なります。(エゾシカに限らずですが)

「ELEZO」ではそのとき仕留められた瞬間から、その肉が新鮮なまま処理をし、それぞれの個体の肉質に添った仕込みが行なわれているので、「若い肉だから美味しい」とか「メスだからやわらかい」といった誤解がなく、もちろん「エゾシカくさくない」という言葉が必要ないくらい、ていねいで「きれいな肉づくり」を心がけています。

北海道に外から人がたくさん入ってきて、森を切り拓き、天敵のオオカミが絶滅してから、エゾシカは異常なほど増えすぎてしまいました。調整のためエゾシカ猟が定期的に行なわれているものの、北海道の人(特に年配の方)はエゾシカ肉に対して拒否感のある場合も少なくありません。ジビエとして人気が出てきたのは、むしろ東京など道外のレストランからの評判がきっかけのようです。

ここで「ELEZO」のエゾシカ肉を味わってみると、全くクセがないことに驚かされます。牛肉でも豚肉でもない、そしてジビエ特有と思われていた鉄分を感じる骨太な赤身肉の味わいとも違うのです。

しっとりしてやわらかく、とっても優しい味わい。これまでのシカ肉のイメージをくつがえされ、「がっつり肉、野生のジビエを食べたい」という方には、かえって意外に思われるかもしれません。ここに、シラーとヴィオニエを合わせた優雅なワインを合わせると、今まで食べたことのないエゾシカの料理の世界を実感することができます。

エゾシカは苦手、という人こそ、ここで食べてほしいと思いました。

6皿目 季節のコンポート

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佐々木さんの料理は、最後は必ず季節の果物のコンポートで締めくくるそうです。

個人的にこれはうれしい。フルコースをいただくと、メインで自分の気分は最高潮に達してしまい、その後でケーキや生クリームといったデザートが来るのはきつい。自分で食事する場合はコースでなくアラカルトを選んでしまうのも、食後のデザートが重たく感じて苦手だったからです。

この日は熟した柿に年代物のアマレットを合わせて。大人のフルコースにふさわしい締めくくりでした。

一連のコースについて、さらにお伝えしたいのは、お肉が中心のコースでありながら、ポーションは控えめ(さらに控えめもリクエスト可能)なので、胃に負担がなく最後までリラックスして味わうことができるのです。

年輩の方でも、安心して味わっていただけるディナーだなと確信しました。

食事の間も、食事の後も、取材時とはまた違った佐々木シェフのお話をじっくり聞くことができ、帰りにスタッフの皆さんやご家族ともご挨拶ができたのも貴重なひとときでした。

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レストランを出る前に、ここで飼われている鴨の羽根をいただき、リースに飾られていただきました。

一枚の羽根まで大切に。まさに、「ご馳走様でした。」で締めくくることができました。

満足度と幸福度でいっぱいになった体、すぐ横には宿があり、ベッドへ直行。「もう一杯」など考える余裕もなく、就寝してしまったのは言うまでもありません。

おやすみなさい……

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翌朝……寒い中バルコニーに出てみると、なんと気嵐(けあらし)です!

海の温度の方が高いので、水蒸気となって海の上に霧が発生する珍しい現象。前の夜も満月だったので、なんとも幸運でした。

人体の不思議は、朝ちゃんと空腹になっていること。お酒もいただいたのに目覚めもすっきり、朝食を楽しみにレストランへ。

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朝食の始まりは、まさに海の命のスープ。これは魚介のエキスを詰めたコクのあるスープドポワソンです。

おなかをあたためた後で、なんと朝食も「ELEZO」のシャルキュトリ!

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ふわふわとした薄切りのハムに、エゾシカのテリーヌ。付け合わせには山菜、豆と十勝の食材を。

ワインではなくノンアルのシードルを合わせていただく、大人のための朝食です。中には「ワインを飲みたい!」とわざわざボトルを注文してしまう酒豪の方もいたそうです。

朝からシャルキュトリも堪能できるという、「エレゾ・エスプリ」は一泊限定、連泊はできないという一夜限りの夢の時間。そして、命や食について考え直すことのできる、人としての再出発の時間ともいえると思います。

通常は料理の撮影やWEB・SNSのアップなどはできないのですが、「北海道生活」冬号の取材をきっかけに、佐々木シェフには特別にブログのためスマホで撮影させていただき、ありがとうございました。

最後に……取材時、佐々木シェフの調理のようすのほかに、マスクを取って笑ってくださいと無理にお願いしたポーズの写真もすてきだったので、ここでアップさせてください。

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こんな穏やかな優しい笑顔の佐々木シェフですが、本誌で原稿を書いているうち、命と向き合うシェフの姿勢や覚悟といったものを感じると、笑顔ではない写真のほうを誌面に採用してしまいました。苦手とおっしゃっていたのに、無理に笑わせて、撮影して申し訳なかったです。

実際に泊まって、夜と朝にお食事をさせていただいた際も、何気ないギャグやおもしろエピソードなど交えて、気さくに会話していただきながらのお食事が楽しめました。

もちろん料理は真剣勝負ですが、真面目に緊張していただく食事ではなく、楽しみ、味わい、感動し、そして学び、気づかされ、心も体も満足する食事がここにありました。

大人だからこそ気づかされる「いただきます」と「ごちそうさま」、そして「ありがとう」の気持ちが自然に湧きおこる、そんな素晴らしいオーベルジュでした。

ありがとうございました!

【宿名】ELEZO ESPRIT(エレゾ・エスプリ)

【公式サイト】http://esprit.elezo.com/

【住所】北海道中川郡豊頃町大津127

【交通】JR帯広駅または帯広空港よりそれぞれ車で約1時間(タクシー送迎可能) ※運転の際にはGoogleマップで「エレゾ エスプリ」と検索すると確実です

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冬の早朝には、豊頃町名物のジュエリーアイスが見られることも。絶景はすぐそば! 目の前でジュエリーアイスが見られるようになるのも楽しみですね。

(編集長)

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