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2022年9月26日 (月)

「第10回 世界料理学会 in HAKODATE」レポート【1日目】

2022年9月12日(月)~13日(火)の二日間、10回目を迎える「世界料理学会 in HAKODATE」が函館で行なわれました。

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料理人の、料理人による、料理人のための学会として、2009年にスタート。全国や海外から名だたるシェフが函館に集まる他にないイベントとあって、「北海道生活」では第1回からずっと取材をつづけてきました。

もとは函館でスペイン料理店「レストランバスク」を営む深谷 宏治さんが仲間に呼びかけ、かつてスペイン・バスク地方で修業していた港町サン・セバスチャンでの学会をヒントにスタートしたもの。

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前回はコロナ禍によりリモート開催となりましたが、今回は久しぶりにリアル開催となり「コロナ禍だからこそ話せることも話してみてほしい」と深谷さん。

司会は、会の立ち上げからずっと支えてきた親方こと「ヒュッテ」のパン職人、木村幹雄さん。

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同じくずっと支えてきた仲間のひとり、フードライターの深江園子さんです。

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まず、1日目のプログラムから。

1 茨城県「雪村庵」藤 良樹さん「地方のレストランが今できること」

古民家を改修した店内で提供するメニュー、サービスともすべてが素晴らしいと評判のレストランです。

フランス料理のシェフが地方に移住し、店をいったん休んでフランスでなくスペインのサンセバスチャンで修業したいきさつを語られました。

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地方でできることを見つめ直し、地元の食材をきわめ、現地で学んだことは料理だけでなく、田舎暮らしを楽しみながらプライベートの時間も大切にするということ。

ライフスタイルそのものを変えたことが、今の素晴らしいレストランに行きついているのだとわかりました。

 

2. 東京「 WAKIYA 一笑美茶樓」脇屋 友詞さん「基本の『き』からはじめる」

登壇する料理人を紹介するのも料理のプロたち。中華の鉄人・脇屋さんを紹介するのは函館の総長こと「函館国際ホテル」総料理長の木村史能さん。かつて中華料理といえば大皿料理しかなかった時代、個人盛スタイルを築き上げた脇屋シェフをご紹介します。

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木村総長も深谷さんたちと学会を立ち上げた創成メンバーのひとり。当日の夜には「函館国際ホテル」での木村シェフ&脇屋シェフコラボディナーも開催され、あっという間に席が埋まったそうです。

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脇屋友詞さんは札幌生まれ、北海道大学のキャンパスを庭として遊んでいた子ども時代から、わずか15歳で赤坂「山王飯店」で修業を始めたこと、伝統料理を守りながらも、やがて創作料理に目覚めていったこと、海外での経験などを語られました。

メインとなった話題が「料理人八訓」といい、料理人が守るべき8の言葉を教えてくださいました。

未来の食文化を守るのは、これからの人材に尽きるというお話。料理人をめざす人たちにぜひ聞いてほしいと思いました。

3. 札幌「アグリスケープ」吉田夏織さん「食材のいのちと向き合うレストランのかたち」

紹介者は吉田さんの育ての親でもある「ル・ミュゼ」石井 誠さん。学会の第1回より、毎回札幌から参加しているシェフです。以前ご自身の料理哲学を登壇して語られたこともあり、今回は愛弟子の登壇を応援する立場に。

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「昔から変わった子で……」と語られるように、函館出身の吉田さんはとにかくタフ。料理人としてだけではなく、農業と酪農。そして狩猟まで精力的にチャレンジしています。店で寝るのは週の半分とか。

また、生産者から「鶏がキャンセルになってしまった」など相談が来ることもあり、会場でも料理人の参加者に呼びかけていました。

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4. 仙台「楽・食・健・美 -KUROMORI-」黒森洋司さん「外国料理を日本で続けていくために、いまできること」

紹介者は以前登壇された「ロレオール田野畑」の伊藤勝康シェフ。私は学会をきっかけに岩手県の田野畑村にある伊藤さんのレストランまで食事をしにいきました。学会では各地で活躍するシェフに出会えるのも魅力なのです。

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こちらが人気の中国料理店を仙台で営む黒森シェフ。名門「福臨門酒家」で料理長をつとめるも、東日本大震災をきっかけに仙台へ。「食を通して地域にどう関わるか」を語ってもらうことに。

黒森シェフは出身地でもない仙台で、しかも海外の料理を提供する意味というのを自ら問います。なんといっても仙台は、ふかひれ、アワビ、ナマコと中国料理の素材の一大産地。「これを地元の人に食べてもらいたい」一心でお店を始めます。

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地方にいると材料に困っているシェフが多いが、あるものを使うということ、生産者とともに継続していくこと、そして支えてくれるお客様の存在。首都圏から有名シェフを呼び、宮城の食材を紹介したこともあるそうです。

一日目の最後はスペインから来ていただいたゲストによる登壇。

5. スペイン・サンセバスチャン フェデリコ・パチャさん「フエゴ(火)~炎の調理の伝統と革新」

この料理学会の前身は「スペイン料理フォーラム」という有志によるスペイン料理の勉強会。この時から参加しているスペイン料理アカデミーの渡辺万里さんが紹介と通訳をしてくださいます。

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フェデリコ・パチャさんはレストランを経営する会社のコンサルタントや食に関するイベントまで多様にかかわる「コンサルティングシェフ」という仕事をしています。

今回は食材に対する敬意と、古来からある火の調理法を学ぶとともに、いま注目すべきスペインのレストランを紹介されました。

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一年前に逝去されたスペインの巨匠ルイス・イリサールと、その弟子でもあり縁をつないでくれた深谷シェフに感謝の意を表し、バスクの食文化を通して若いシェフに警鐘を鳴らしたいと話していました。

伝統と革新、この話は学会でも常に話されてきていることですが、あらためてバスク地方でも考えられ、食の歴史がつむがれていることを実感しました。

1日目は以上となります。このあと場所を3カ所に移し、「函館国際ホテル」脇屋シェフと木村総長の中国料理コラボディナー、「箱館蔦屋書店」親父シェフ座談会、「Cafe&Deli MARUSEN」トークイベント、と夜まで様々な催しが行なわれました。

まずは、2日目へとつづきます。

(編集長)

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